FC2ブログ

S.Asada

ネコと趣味ときどき仕事

TOP >  天文 >  宇宙の成り立ち 宇宙誕生のストーリー(マイ オリジナル)

宇宙の成り立ち 宇宙誕生のストーリー(マイ オリジナル)

宇宙 誕生のストーリー (マイ オリジナル仮説) 

宇宙ブラックホール仮説;巨大中心核を持つ大宇宙構造モデル  

最終更新 2023/10/01 S.Aada  初版2012年頃  更新理由:新重力理論の組込  

The answer except the Big Bang. Cosmic black hole hypothesis. English edition


← トップページにもどる      オブザーバーでーす


 目次だよ 今回の更新は新しい重力理論の組込だ それ正しいのか?
0. 本論の概要    1. 基本理論    2. 本論の立ち位置  
3. 観測事実の説明    4. 質量エネルギー保存則修正
5. 空間が閉じて反転するメカニズムの図解    
. 結論。ブラックホール内は我々の宇宙と同じだ。


本論は総論をまとめたこのページと、さらに詳細事例を個別に解説したページ群で構成します。



.本論の概要 

 

本論は私の主張する宇宙論であり、現在主流である「ビッグバン宇宙論」とは全く逆説的な宇宙論となります。それは我々には観測不可能な領域である「外部空間」という広大な空間が元々の舞台。そこに発生した巨大な「宇宙ブラックホール」が我々の宇宙のベースになります。我々の宇宙とはこれのシュヴァルツシルト半径内を落下過程にある「空間と多くの天体」のごく一部であると想定しています。

そこでは空間が反転しており中心核が360°の全天に等距離で広がります。そしてそれを覆い隠すように絶対零度で漆黒、赤方偏移∞の「事象の地平」が我々の宇宙を包み込んでいます。この様に空間が反転して我々の宇宙を包み込んだメカニズムについては「5. 空間が閉じて反転するメカニズムの図解」で詳しく解説しています。


さらに本論では重力場とは時間速度の遅い空間の事であり、重力加速度を受ける空間とは時間速度勾配のある空間のことです。すると観測者から見て全天の等距離にブラックホールの中心核が均等分布するので重力が釣り合い、時間速度勾配がゼロになっています。つまり無重力状態です。更に遠方ほど中心核に近い空間構造なので、遠方天体ほど時間速度が遅い。そのため遠方天体ほどそこからの光は赤方偏移しています。

宇宙の⒉7K背景放射は、遠方の時間速度が1/1000に達するような空間からくる3000K黒体放射光です。赤方偏移が1000にも達するような遠方空間からは、今でも宇宙の背景放射として3000K黒体放射光が約1000倍に波長が伸びた状態で我々の銀河にも届いています。

これのメカニズムは、まず広大な空間には光を蓄積する能力が有ります。その蓄積と大きな重力勾配の差(ここでは時間速度勾配の差。1/1000による空間の大幅な時間遅れ(約1/1000)さらに遠方から我々まで到着する時間約140億年などの理由で、その遠方空間の時間座標はまだ宇宙ブラックホールのシュヴァルツシルト半径の外の時代です。そこは宇宙ブラックホールを取り巻く高温層の最内側にある3000K黒体放射層だったころの空間です。だからこの空間からは強い3000K黒体放射が我々の銀河にも届いています。ただし時間速度が約1/1000なので2.7Kの黒体放射として観測されています。

これがもう少し近い空間ではもっと時間が進んでおり、3000K黒体放射層を通り越して急冷空間に入ります。すると空間温度は急激に下がり、そこからの光の放射はほぼ来なくなります。さらに近い空間では宇宙ブラックホールのシュヴァルツシルト半径内になり、絶対零度に近い空間になっていきます。さらに近くの時間速度が1/10程度の空間になると、やっと我々が直接観測できる宇宙空間になります。

また正体不明だが確実に存在するだろうとされている重力源「ダークマター」は、本論では外部空間で大量に作られた正、反物質の結合体(電子ー陽電子結合体、陽子ー反陽子結合体など)がその正体だと主張します。
詳しくは詳細解説ページ参照 → ダークマターの正体

重力場で物質に発生する引力の正体については次の様に説明しています。時間速度勾配のある空間に物質を置くと、物質内エネルギーのランダムな運動量ベクトルに変化が起こり推力が発生します。

つまり間速度勾配の無い空間では物質内部のランダムな運動量ベクトルが打ち消しあい、外部に運動量は現れません。しかし時間速度勾配のある空間では運動量のベクトルが時間遅れの大きい空間に向かって曲げられますので、総運動量ベクトルが完全には打ち消されなくなります。その結果、物質は時間速度勾配が下る方向に運動量が発生します。これが重力による引力、つまり重力加速度の正体であると主張します。

このような理論体系で宇宙のほぼ全ての観測事実を合理的に説明可能です。以下でこの概要をもう少し詳しく説明します。
そして「1. 」では本論の理論背景を整理し、「3. 」では実際の宇宙での観測事実と、それに対する本論での説明、解釈を行います。

全て飼い主の妄想的主張だよ。ほとんど何も立証されていないから、くれぐれも鵜呑みにしないように!心配しなくても誰も本論を信じないから。その方が問題だー

BHS.jpg


0-1. 宇宙の構造
本論では宇宙の彼方に大質量の中心核があると想定しています。それは我々が認識する全宇宙の総質量を何桁も超える巨大質量の中心核です。そしてそれの重力場で時空間が極端に曲がり、裏返しになった閉鎖空間が我々の認識する大宇宙空間だとしています。つまり我々の認識する大宇宙とは、巨大なブラックホールのシュヴァルツシルト半径内を等速で自由落下している「空間とその中に分布する天体等」です。そしてそれらを包み込む事象の地平面内が我々の観測できる大宇宙の全てであるという主張です。参照→ブラックホール内の景色


0-2. 裏返し空間と我々の宇宙

裏返し空間とは極限的な時空間の歪みで中心核が裏返しになり全天空に広がった空間の事です。つまり我々の認識する宇宙空間では中心核が全天空を等距離で均等に覆い、重力が打消されたその空間の中心に浮いている様に認識されます。さらに全天空に存在する中心核はブラックホールの事象の地平面で覆われており、見ることはできません。


そして我々の観測できる大宇宙空間は、実際にその事象の地平面で完全に包み込まれた世界になっています。この状態は観測者が宇宙ブラックホールのシュヴァルツシルト半径内に落ち込んだ瞬間から中心核に到達するまでの期間、継続します。下図は裏返し空間の概念図です。この裏返し空間はブラックホールのシュヴァルツシルト半径の内側に落ち込めば、誰でも体験できます。たぶん


空間構造20220922

裏返し空間の概念図



0-3. 裏返し空間の内部

裏返し空間内では観測者を中心にして、全天を真っ暗で絶対零度の事象の地平面が覆います。そしてその中の落下物は全て観測者から遠ざかる方向に落下していきます。これは観測者から見てすべての方向が中心核の方向になるという空間構造のためです。そのため遠方になるほど重力ポテンシャルの差(本論では時間速度比)が大きくなり赤方偏移が大きくなります。そして事象の地平面の所で赤方偏移無限大、時間速度ゼロになります。つまりハッブルの法則の正体はこれだと私は主張しています。


この空間内での重力勾配は比較的近距離では距離にほぼ比例であり、単純なハッブルの法則が成り立ちます。しかし遠距離になるほど重力場の性質で単純比例から離れます。更に距離が離れるほど時間速度の差が影響したり、更には中心核の重力場に対し落下途中の天体の質量も次第に影響力を強めます。これらが相まってハッブルの法則から予想される結果にずれが生じます。「宇宙の加速膨張」などと言われている「観測結果のハッブルの法則からのズレ」は、これらが原因であると私は主張します。


閉鎖空間-6


シュヴァルツシルト半径内といっても、事象の地平を超えるわけではありません。事象の地平は原理的に到達不可能です。落下観測者はどこまで行っても宇宙ブラックホールの事象の地平の外側にいます。上図で落下観測者がシュヴァルツシルト半径を超えて落下すると空間が裏返しとなり、全天に宇宙ブラックホールの中心核と事象の地平面が広がった閉鎖空間となります。その場所は宇宙ブラックホールの事象の地平の外側には違いないのですが、その事象の地平で包み込まれた孤立した閉鎖空間です。事象の地平面は光を全て吸収し、一方通行で光を含む一切の放射は出てこれず、そのため絶対零度です。これに包まれた我々の宇宙空間は真っ暗になり絶対零度近くまで冷却されました。


0-4. シュヴァルツシルト半径内は無重力空間

裏返し空間では落下観測者から見ると全天に宇宙ブラックホールの中心核が等距離に存在するので、重力がバランスして無重力状態(本論では時間速度勾配がゼロと表現)となります。「落下観測者」という物質が中心核の重力で加速されるのはシュヴァルツシルト半径の所までであり、その後は慣性による等速運動となります。この理論設定により宇宙全体での質量エネルギー保存則が守られます


0-5. 我々の宇宙空間が落下を続ける事による景色の変化

我々はシュヴァルツシルト半径までの落下過程で既に大きな落下速度を獲得しているので、中心核までの距離は一定速度で縮まっています。これは我々から見ると最遠方の事象の地平面が一定速度で我々に近づく、つまり大宇宙の大きさが縮んでいくように観測されます。遠方銀河とは等距離を保ちますが、事象の地平面が近づいてくるので赤方偏移が進行していき、最遠方銀河から実質的に消えて無くなります。ちなみに時間速度が1/nの空間では距離も/nになります。光速度も1/nになります。


0-6. われわれの宇宙の落下速度
我々の落下速度ですが、これは光速度よりもかなり遅いと推定します。もしある物体が障害無く最遠方から宇宙ブラックホールに落下した場合、シュヴァルツシルト半径の所でその速度はほぼ光速度に達するでしょう。しかし前記した様に実際には物質の生成自体が宇宙ブラックホールに比較的近い場所なので、落下距離は限られます。そのため落下速度も制限されます。

0-7. 遠方空間の見え方について

例えば現在観測される時間速度が1/1000の場所(ほぼ宇宙の背景放射が観測される場所)について考察します。外部空間で我々の空間との時間速度差がほぼゼロだったころを原点とします。宇宙ブラックホールに近づくほど時間速度勾配が大きくなって、シュヴァルツシルト半径を超えたところで慣性運動になります。そこから時間速度比はほぼ1/1000で大きな変化はなかったと推定します。


我々から「時間速度が1/1000の空間」までの距離が150億光年だとすれば、光の速度から見て150億年前の空間を見ていることになります。そこに更に時間速度の差が加算されます。我々の空間との時間速度比が1/1000なので、われわれが落下し始めてから1000億年が経過しているとしても、その空間では1億年しか経過していないことになります。


つまり我々が観測している宇宙の背景放射をしている空間というのは、宇宙ブラックホールのシュヴァルツシルト半径を超える前の、外部空間にある3000K黒体放射層にあったころの空間を見ていることになります。つまり宇宙の2.7Kマイクロ波背景放射とは、この空間からの光が赤方偏移で波長が約1000倍になって、やっと我々の所に到達したものです。


同様にもう少し我々に近い時間速度がほぼ1/10の空間については、同様に我々の宇宙空間が落下を始めてから1000億年だとしても、その場所では100億年しか経過していないので比較的若い宇宙が見えることになります。この時間速度が1/10程度の空間が我々が直接観測できる限界付近になります。


0-8. 外部空間について
外部空間とは宇宙ブラックホールの外部に広がる広大な空間であり、高温で質量エネルギー密度が希薄な空間であると想定しています。密度は我々の宇宙の平均密度よりも低いと思います。ちなみに我々の宇宙の平均密度は1m^3あたり水素原子1個程度です。外部空間が超高温であれば物質等は主に光エネルギーとダークマターの形で存在するでしょうが、温度によっては物質の形で存在するかもしれません。その場合、正物質と反物質をほぼ同数含むでしょう。超高温、超低密度なので、両者は共存可能です。

0-9. 外部空間にある高温の層
外部空間の平均温度によらず宇宙ブラックホールの近くでは落下物質がエネルギー放出するので、超高温になって光エネルギーとダークマターの形でしか存在できない超高温層を形成します。それが宇宙ブラックホールに近づき冷却されることで水素、ヘリウム等の物質が生成します。それが更に正反物質の選択を受けた後、宇宙ブラックホールに落下していきます。

0-10. 外部空間は決して見えない
外部空間は我々の宇宙からは構造的に別空間であり、決して観測する事も行く事も出来ません。外部空間にはこのような宇宙ブラックホールが、もしかすると数千個、数億個と存在するのかもしれませんが、我々にはそれを原理的に観測できません。
リンク 詳細説明 → 外部空間と宇宙の背景放射

0-11. 外部空間から飛込む光は我々の宇宙に入り込めない
外部空間からは常に大量の光が宇宙ブラックホールに飛び込んできます。しかし我々の認識する宇宙空間の落下速度は遅いので、外部空間から降り注いだ光子は我々の空間を追い越して落下していきます。しかしそれらは我々の認識する空間に入り込むことはありません。なぜなら我々と中心核を結ぶ光路に沿った光しか我々に到達することができないためです。外部からの光路は全て我々と中心核を結ぶ光路に対し交差します。

時間モデル




0-12. 外部空間の構造


外部空間にあって宇宙ブラックホールを包んでいる高温層とは、最外側は落下物の落下エネルギーが蓄積して超高温になり、放射優勢で物質状態のものが存在しない領域です。そこは主に光エネルギ―とダークマターから成ります。次の中間層ではブラックホールによる冷却の影響で徐々に温度を下げ、するとダークマターから物質が対生成されます。さらに正物質と反物質を分離するメカニズムが働き、正物質と少数の陽子のみがさらに下の3000K黒体放射層に送られます。そこで物質(主に水素とヘリウムと陽子)は重力収縮を始め、ある程度の塊り(雲状)になり宇宙ブラックホールに落下していきます。これが我々の観測している大宇宙を作っていきました。落下するとき、物質の塊りは別の塊りを引き込んで数珠状に繋がる様に落下していきます。これが銀河団のフィラメント構造その他を作ったと推定しています。


外部空間-1



●徐冷空間にあり、正物質のみ選択して落下させる構造

正物質フィルター20220905




1.基本理論 

質量(慣性質量、重力質量も同じ意味)という言葉は、ここでは「三次元質量」の意味になる。私の主張する「四次元体積保存則」では物質は時間軸方向に伸びることで三次元体積が減少し、収容できないエネルギーを放出する場合がある。しかし物質の四次元体積 x・y・z・t は不変である。重力場を作る能力は物質の四次元体積に依存するので、三次元体積、三次元質量が変化しても、たとえゼロになっても、その物質の作る重力場は不変となる。この物質の四次元体積に収納された質量エネルギーを「真の質量」と呼ぶ事にしている。


1-1.本論は「宇宙の成り立ち」を十分に検証された
理論のみで解明
十分に検証された物理理論の範疇で矛盾の無い解を求めたものだが、一部に私による拡張理論が含まれる。それは本論を成立させるために必要だったからだ。ただしそれは僅かな修正であり、無理のない範囲だと判断している。本論では「無から有を生じる」ような事は、その逆も含めて明確に否定している。加えて本論では電荷、重力場は三次元空間で不変量であり、物質は四次元時空間で不変の体積(真の質量=xyz・t→不変)を持つとして、思考実験でそれの証明を試みている。

1-2.本論ではダークマターは物質の一形態であると主張
本論では質量や、それと等価のエネルギーには重力場を作る能力は無いと主張する。証明は(4. 質量、エネルギー保存則に対する追加解釈)での思考実験となる。重力場とは物質の「四次元時空間で保存則の成り立つ"真の質量"」が空間の時間速度を遅らせるのが重力場の正体であると主張している。
下図で陽電子と電子が電気結合し、結合エネルギーを全て光子の形で放出すると、質量wがゼロの存在になる。これは従来理論では消滅したという扱いであった。しかし本論では四次元体積保存則(xyz・t→不変)により重力場を作る能力は保持したままで物質の時間軸tが無限に伸び、慣性質量wがゼロ、三次元体積もゼロのダークマターになるとしている。
w→物質の三次元質量(慣性質量、重力質量)。t→時間軸上での長さ。x・y・z・t→四次元体積、真の質量であり重力場を作る。wは三次元体積x・y・zに比例したエネルギーを収容するので、四次元体積保存則は簡易的に「w・t→一定」としても良い。

1-3.重力場を作る能力は物質の四次元体積に依存し、不変量である
下の[図ー1] の反応で重力場を作る能力は全てダークマターが引き継いでいる。この反応の前後、途中で重力場は変化しない。電荷も保存される。従来の理論では電子-陽電子反応では0.51MeV×2の光子になるだけで、電子-陽電子結合体の存在は示されていない。消え去るとされている。

私の主張: 三次元空間における「質量+エネルギー保存則」の存在、さらに重力場、電荷も保存されると考える。そして四次元時空間においては物質の四次元体積保存則x・y・z・t又はw・t→不変)の存在を主張する。

重力場は物質の四次元体積に依存する。→物質の状態によらず不変量である。結合エネルギーの放出で物質の三次元質量wがゼロに近づいても、時間軸tが無限に伸びる事でw・t(真の質量)は一定を保つ。そのため、それの作る重力場は変化しない。

通常空間から時間速度が1/nの空間に入ると、光速も1/nになる。しかし通常空間の観測者から見た振動数「ν(ニュー)」は変化しないので波長が1/nになる。λ=c/ν

下の[図ー1]において、光の通路に1/nの時間遅れのある空間を挿入したとする。するとその空間では光速度が1/nになる。光の振動数は観測者によらず不変なので「λ=c/ν」より、波長が1/nになる。ここで時間の遅れた空間にいる観測者にとっての波長は外部空間における波長と同じである。したがって外部観測者から見たこの空間は距離も1/nになっている。

つまり距離は1/nになっているが光速度も1/nになるので、そのエリアを通過するのに要する時間は時間速度に関係なく、同じ時間を要することになる。言い換えると時間速度が1/nの空間では距離が1/nに短縮されるが、そこを光が通過するのに要する時間は一定である。


時間と空間

[図ー1] 時間の遅れた空間が及ぼす影響


1-4.  重力場について

重力場とは物質の真の質量=w・t の作用で時間遅れの生じた空間の事だと主張する。以下の文で出てくる「物質のシェル」とは物質内で激しく運動するエネルギーを閉じ込めておく存在として便宜的に設定したものである。物質が大きなエネルギーを閉じ込めていることは事実であり、形はどうあれシェルに相当する役割(エネルギーを閉じ込める)をするものがあると考えている。ここでいう物質とは陽子、電子、中性子など素粒子に近いもの、あるいはクオークレベルのものとなる。

物質の真の質量により空間の時間遅れが生じる。たとえば外部の観測者から見て時間速度が1/nの空間があったとする。すると当然、その場所では光速度も1/nになっている。そうなると距離も縮むので三次元空間が歪む。光は光速度の遅い空間に向けて進路を変える(重力屈折)。いうまでもなく光の進路(通路)が最短の空間距離となる。この光の通路は観測者から見ると曲がって見えるかもしれないが、これは曲がった三次元空間における最短距離に間違いはなく「直線」ということになる。

また物質、例えば陽子内では内部に閉じ込められた大量のエネルギーが運動量を持ってランダムな運動をしている、と想定している。それらは物質シェルに衝突し、それに運動量を与える。しかし通常はそれらの運動量ベクトルは打ち消しあい、物質には推力は発生しない。しかし時間速度の変化する空間では運動量ベクトルは指向性を示すようになり、時間速度の遅い方向に推力が発生する。これが重力の引力、重力加速度の正体であると主張する。

この推力のエネルギーは重力場を作った物質同士の重力結合エネルギーから支出される。ここでも質量、エネルギー保存則が厳密に適用されている。

以下は重力場の正体に関する私見。詳細は専用ページ参照→重力の正体


重力のF


[図ー2] 空間の時間速度勾配により物質の質量に推力が生じる


重力勾配のある空間とは時間遅れの程度に空間的な強弱がある空間のことである。この強弱が出来るのは重力場を作る「真の質量」との距離等で決まる。これは既存の重力方程式の質量項に「真の質量」を代入すれば求められると考えている。

  
ここで [図ー2] の物質の存在する空間は左側が時間速度が遅く、右側が時間速度が速かったとする。


Mの左下への動きでは時間速度の遅い空間の方向に、つまり時間遅れの大きい空間側にMの軌道が曲げられる。これは透明物質中で光速度が遅くなる方向に光が屈折するのと同じ原理である。


これはMの右上への運動でも同様に時間遅れがより大きい方向に曲げられる。そのためMがランダム運動している場合でもMの軌道が時間遅れの大きい方向に全て曲げられる。すると物質シェルが受け取る総運動量ベクトル和は時間遅れのより大きい方向に向けた運動量が発生する。


これが重力場(ここでは空間の時間速度勾配)で質量が引力F=Mgの力を受ける原理であると私は主張する。そして引力F=Mgには上限値があることも示唆する。引力Fが物質内部の質量エネルギーMの運動量に起因する以上、それのベクトルが完全にそろったときに生じる引力Fが最大値となる。


加えて、もし上記「時間の遅れた領域」の時間速度がゼロ(停止)であれば、その距離はゼロになる。我々の観測する大宇宙の最遠方は事象の地平であるという本論の主張には、ほとんど異論がないだろう。なぜなら従来のビッグバン宇宙論でも、この宇宙の最遠方は事象の地平だとしており、この点は本論と同じだからである。するとそこは半径約140億光年の球体の内面に見えるが、実際にはその広がりはゼロであり、一つの点であるという事になる。全天に広がって見えるのは空間構造によるものである。これを曲がった二次元面である地球表面で例えてみる。例えば観測者が南極点に立つと最遠方に北極点が存在し、しかもそれは360°方向すべての最遠方に北極点が存在している。ここで北極点を事象の地平だと思えばよい。つまり点の事象の地平が360°方向に広がって見える。


1-5その他、基本理論のまとめ

よく知られた理論や法則と、それに対する私からの少しの拡張や修正の提案


(1) 質量エネルギー保存の法則

質量エネルギーは総量が一定である。ここで言う質量とは慣性質量、重力質量の事であり、エネルギーと等価 (換算式 E=Mc^2)


拡張:あるブラックボックス内でどんな反応が起きても、そこからの出入りが全く無い場合、ブラックボックスの質量とそれの作る重力場も変化せず一定である。内部の電荷数も一定である(すべてに保存則が成立)。それはたとえ電子ー陽電子反応、陽子ー反陽子反応でも保存則は成立する。 電荷については存在し続けていても、正電荷と負電荷が結合することで電場が打ち消され、外部からは観測できなくなる、という事はあるよ


(2) 真空中で光は最短距離を直進する

真空中では光は直進し、その光路は二点間の最短距離である。遠方観測者から見て光路が曲がっているように観測される場合、それは空間が曲がっていると解釈され、曲がった空間を光はあくまで直進している。その光路は二点間の最短距離である。


拡張:真の質量の作用で空間の時間速度が1/nに遅くなった場合、光速度も1/nになる。空間の距離も1/nに短縮する。


(3) 曲がった三次元空間では二点間の光路は無数にあり、その全てが最短距離

3次元空間は重力場で曲がり、曲がった3次元空間では2点間の光路は1つではなく無数にできる場合が有る。


拡張:一つの中心核による単一構造の重力場において、観測者から出た光が全て中心核に向かうような空間の場合、無数に出来た二点間の光路は全て等距離で二点間の最短距離である。これは曲がった2次元空間である地球表面で、南極と北極を結ぶ最短行路は無数にあり、それらは全て等距離になるのと同じ事である。つまり観測者から見て全ての方向の等距離に中心がある閉じた空間となる。このモデルでは地球南北の両極間の様に正反対の位置にある二点間ではこの論理は成立する。しかし例えば日本とハワイ間であれば地球表面に直線は2本ひけるが、最短距離は一本だけとなる。また地球が完全球体でない場合は無数に直線は引けても、それらが全て等距離ではなくなる。このあたりの取り扱いは少し難しい。A-B間を結ぶ二つの光路があった場合、単一の重力場でそれが起こればその二点間は最短距離であり、等距離となる。しかし一方が鏡や別の物質の重力レンズ効果で曲げられて、結果としてA-B間に複数の光路ができていた場合には、当然その光路は等距離ではない。


(4) ブラックホールについての認識

ブラックホールとは、その強い重力場で光も抜け出せなくなった天体。遠方観測者から見るとシュヴァルツシルト半径の所に事象の地平面があり、遠方の観測者から見ると落下者は事象の地平面で時間が停止し、その場所に永遠に停まる。赤方偏移も増大し事象の地平面で無限大に達する。しかし落下観測者にとってはシュヴァルツシルト半径は支障無く通過し、中心核に達する。


拡張:シュヴァルツシルト半径内の落下観測者から発せられた光の光路は外部に向うことが出来ず、大きく曲げられて全て中心核に向う。すると光路は可逆的なので観測者の全ての方向に中心核が見える事になる。しかも見えるだけでなく実際にその方向に存在する。そして光路は2点間の最短距離なので、全ての方向に中心核が等距離で存在する形になる。→シュヴァルツシルト半径内に散在する全ての観測者からみて、天球に「等距離で全天に広がった中心核」で包まれた「球形の閉鎖空間」の中心にいる形になる。→全天に中心核が等距離に存在するので重力がバランスし、無重力状態になる。また中心核から等距離の所に事象の地平面ができる。これを観測者から見ると全天の等距離の所に事象の地平が存在する形の閉鎖空間になり、閉じ込められる。こうなると外部との連絡手段はなく脱出も不可能。


(5) 重力崩壊についての補足説明

本論では大宇宙ブラックホールの中心核は特異点にはならないとしている。なぜなら中心核の重力場が極端に強くなると、その重力場による空間の歪で空間が閉じてしまう。これは空間が反転することを意味し中心核が全天空に広がる。


すると落下物体にとって中心核の重力がバランスして無重力状態となり、それ以上、落下速度が増大することは無い。落下による運動エネルギーの増加もない。そのため、その物体が中心核に衝突してもエネルギー放出量は限られている。中心核に積もった物体にも大きな重力は働かない。そのため空間が閉じてブラックホールになってからは、それ以上の中心核の圧縮はあまり進まない。重力崩壊は無く特異点もできない。普通の物理法則が適用できる世界だ。



1-6.この宇宙論全体のまとめと理論背景

我々の大宇宙空間では、全天空を等距離で事象の地平面が均等に覆う。だからこの宇宙空間は基本的に真っ暗で絶対零度に近い寒さだ。事象の地平面の手前には過去の空間、物質が時間が停止に近い状態で降り積もっている。この中には宇宙の背景放射を行っている層(赤方偏移約1000、温度約3000Kの黒体放射領域)も有る。 


このメカニズムは、まず広大な空間には光を蓄積する能力が有る。その蓄積と大きな時間速度勾配の差、1/1000による空間の大幅な時間遅れ(約1/1000)さらに遠方から我々まで到着する時間約140億年などの理由で、その遠方空間の時空間座標はまだ宇宙ブラックホールのシュヴァルツシルト半径の外の時代である。そこは宇宙ブラックホールを取り巻く高温層の最内側にある3000K黒体放射層だったころの空間である。だからこの空間からは強い3000K黒体放射が我々の銀河にも届いている。ただし時間速度が約1/1000なので2.7Kの黒体放射として観測されている

これがもう少し近い空間ではもっと時間が進んでおり、3000K黒体放射層を通り越して急冷空間に入る。すると空間温度は急激に下がり、そこからの光の放射はほぼ来なくなる。さらに近い空間では宇宙ブラックホールのシュヴァルツシルト半径内になり、絶対零度に近い空間になっていく。さらに近くの時間速度が1/10程度の空間になると、やっと我々が直接観測できる宇宙空間になる

この背景放射層は全天に広がり広大に見えるが、空間距離が1/1000なので実際には狭い。これが背景放射がかなり均一である理由の一つだ

リンク 詳細解説 → 宇宙の背景放射について


我々が観測できる天体は全て大宇宙ブラックホールの中心(全天空の最遠方)に向かって等速で落下している。しかし遠方の天体ほど中心核に近いので重力ポテンシャルの差(本論によれば時間速度の差)で大きく重力赤方偏移している。多くの銀河が渦巻き構造なのは、初期宇宙で分散した物質が重力収縮する際に、大宇宙中心核による潮汐力の影響を受けるので多くは渦巻き構造になる。


本論によれば我々の宇宙に反物質が存在しない理由や、宇宙が加速膨張しているかのように観測される理由も、ダークマターの正体も、十分に検証された物理理論の範疇で合理的に説明可能だ。



2.本論の立ち位置


宇宙の成り立ちについて現在、最も支持されているのは膨張宇宙論(ビッグバン説)である。しかし私はこの説には同意できない。この説を成立させるには十分に検証されている古典物理(ニュートン、アインシュタイン時代)の原理原則、定理をかなり曲げなくてはならない。


しかし私の個人的志向としては最低でも「質量エネルギー保存則」は守りたい。これまで無視したら永久機関も肯定する無茶苦茶な世界観になる。加えて本論では電荷、重力場は三次元空間で不変量であり、物質は四次元時空間で不変の体積(w・t=不変。真の質量)を持つとして、思考実験でそれの証明を試みている。


そしてここでは、これらの原則を厳密に守って構築した全く別の宇宙論を提案したい。この仮説によれば古典物理理論を無視するような「特異点」とか「空間の膨張、インフレーション」,「ダークエネルギー」などという変なものを持ち出さなくても、古典物理の範疇で現実宇宙の観測事実をほぼ完全に説明可能だ。従って私の仮説の方が多くの人にとって、感覚的にも抵抗なく受け入れられると思える。


尚、ダークマターは本論でも存在を認めており、その構造やふるまい、生成メカニズムについて解説し、その存在を思考実験で証明している。またこの宇宙が正物質のみになった理由も、宇宙の2.7K背景放射についても合理的な解説をしている。


またビッグバン宇宙論と本論では、結果として宇宙構造がほぼ同じになる。ビッグバン論ではすべての方向で遠方ほど過去となり、最遠方はビッグバンの始まりの原点となる。これは我々から見る全ての方向について同様である。だからビッグバン論でも原点が全天に広がった一種の裏返し空間となる。また遠方では空間の膨張速度が光速を超えて事象の地平面を作り、我々の全天を覆うと解釈している。これは我々から見て本論による宇宙空間の構造(宇宙ブラックホールの内部世界)と同じであり区別が難しい。



3.各種の観測事実に対する本論による説明    


私の主張する我々の宇宙の正体とは、まず我々の認識できない場所にある超広大な外部空間が元々の舞台になる。そこには我々の宇宙が所属する超巨大ブラックホールがあると想定している。我々が認識している大宇宙空間はこのブラックホールの中に含まれるが、それはごくごく一部を占めるに過ぎない。このブラックホールをここでは宇宙ブラックホールと呼ぶ事にする。宇宙ブラックホールのシュヴァルツシルト半径はおそらく数千億~数兆光年以上に達する。


宇宙ブラックホールの近辺には外部空間から落下してくる物質、光エネルギー等が溜まり、落下エネルギーの開放や正、反物質の反応などで超高温の層を作っている。その層の外側~中央部は放射優勢であり物質の形では存在できない。しかしこの層の内側では宇宙ブラックホールの事象の地平面(絶対零度)に対する放射冷却で徐々に空間温度を下げる。すると光エネルギーはダークマターにエネルギーを渡して物質を生成するようになる(正物質と反物質のセットで生成)。


例:電子ー陽電子結合型ダークマターが高エネルギー光の吸収で結合が切れて電子と陽電子が対生成する。それ以外にも陽子ー反陽子結合型ダークマターから陽子と反陽子が対生成するなどの反応が起こる。


対生成



3-1.なぜ我々の宇宙空間は暗くて寒いか、の詳細解説

 前記した宇宙ブラックホ-ルの事象の地平面とは、全ての放射を吸収し反射や再放射をしないので、真っ暗で絶対零度の場所である。絶対零度の壁で包み込まれているのだから我々の宇宙空間は暗く、基本的には絶対零度に向かって冷却されている。ホーキング放射が実在したとしてもその量は僅かであり、実質的には絶対零度と考えてよい。この飼い主はホーキング放射を信じていない。ついでにディラックさんの負のエネルギー関連に関する説にも否定的だ。


それを拒むのは多くの恒星が放出する光エネルギーだったり、空間が閉じる前に注ぎ込んでいた外部空間からの放射エネルギー(主に約3000K黒体放射)の残滓だったりする。しかしそれでも絶対温度で約2.7Kにしかなっていない。


● 観測事実との一致を確認① 宇宙は暗くて寒い



3-2.膨張宇宙、ハッブルの法則について 

前記した様に本論ではこの空間は観測者から見て遠方天体ほど中心核に近い。つまり重力勾配の下側になるので遠い天体ほど、重力ポテンシャルの差で赤方偏移して見える。この観測結果から赤方偏移の原因をドップラー効果だと考えて膨張宇宙論(ビッグバン説)が生まれた。


しかし私の主張ではこれは重力赤方偏移であり、我々の宇宙は宇宙ブラックホールへの落下過程だということになる。そして我々の認識する宇宙空間の終端である宇宙ブラックホールの事象の地平面に近づく天体ほど、大きな赤方偏移が見られる。事象の地平面では赤方偏移が無限大で放射を含めて行きの一方通行なので絶対0度になる。するとこれは我々が観測している宇宙の最遠方の状態と非常によく一致している。


ある遠方宇宙空間における赤方偏移による光の波長の増大率をN倍とすれば、その場所の時間の速度は我々から見て時間速度が1/N倍となる。事象の地平面ではNが無限大になるので時間も停止する。そしてその手前側に大きな赤方偏移の見られる空間が積み重なる。そこには空間が閉じる前に外部空間からの高温放射にさらされていた空間(赤方偏移約1000)もあり、そこからは宇宙の2.7K背景放射が観測されている。


リンク 詳細解説 →宇宙の背景放射について


 観測事実との一致を確認 遠方天体ほど大きな赤方偏移:ハッブルの法則




 3-3.我々の宇宙空間の元素構成についての説明 

大宇宙ブラックホールの外に広がる外部空間は非常に希薄で高温であろうと推定するが、物質が存在できず放射優勢となるほどの超高温は大宇宙ブラックホールに比較的近い空間のみの可能性が有る。


外部空間に広く薄く分布していた物質が、遠方から宇宙ブラックホールに落下していく過程で大きな運動エネルギーを得る。そしてそれらは光速に近いような速度になる。それが宇宙ブラックホール近くで濃縮され、衝突を繰り返すことで熱エネルギーに変わり超高温状態になる。


また外部空間では物質として存在していたとしても正物質と反物質が入り混じった状態である可能性が高い。これは高温で低密度だからあり得ることだ。そして宇宙ブラックホールに落下する過程で前記した宇宙ブラックホール周辺の超高温層にぶつかって光エネルギーの塊になり物質として存在できないような超高温層を形成し維持する。


この様に少なくとも宇宙ブラックホール近辺は物質がダークマターと放射エネルギーという形態でしか存在出来ない様な超高温の空間で包まれるが、この超高温層の内側では宇宙ブラックホールの事象の地平面(絶対零度)により空間が冷却され始める。するとダークマターから電子ー陽電子対、陽子ー反陽子対などの物質が対生成し始める。


それらは更に反応してヘリウム原子核等も融合で生成するが、密度と時間の関係でそれ以上の融合反応は進みにくい。そのため我々の宇宙空間の初期には存在する物質の大部分が、水素原子とヘリウム原子で始まった。しかしリチウム以上の原子も少量なら生成した。


● 観測事実との一致を確認③ 初期宇宙の構成物質は主に水素とヘリウムである




3-4. 本論による宇宙構造の再確認
観測者が宇宙ブラックホールに近づくと、前記したように空間の歪で中心核とそれを包む事象の地平面が観測者に覆い被さる様に観測される。そしてさらに落下してシュヴァルツシルト半径を超えると、ブラックホールの中心核と事象の地平が観測者を完全に包み込んでしまい、外界から閉ざされる。つまり空間が裏返しになり、外部と隔絶される。事象の地平は絶対零度なので、この空間は絶対零度に向かって急激に冷却されていった。この状態が我々の観測している大宇宙だとするのが本論だ。


ホーキング放射が実際にあるとすれば事象の地平面も厳密には絶対零度ではないかもしれないが、あったとしても数値的にはゼロに近く実質的には絶対零度として扱って問題ない。


この様に事象の地平が覆い被さり、完全に包み込まれて外部空間とつながる窓が閉じる時、外部空間からの数千度の黒体放射は遮断された。その前に入射していた放射は我々の周囲からは速やかに飛び去り、全天に広がる事象の地平面に向かって吸収されていった。



3-5. 宇宙ブラックホールの外側(外部空間)にある高温層の構造について

宇宙ブラックホールを包む高温の層は中央部は10^15K以上といった超高温だが、前記したようにブラックホールに近づくと事象の地平への放射冷却で急激に温度を下げる。そして約3000Kの所で明確に層が分かれる。それより外側では光が通過できない不透明層になるので熱移動がしにくく、超高温を維持しやすい。


しかし約3000K以下では光が自由に通過できるようになり、ブラックホールの事象の地平に向かって猛烈な放熱が起こり、急激に温度が下がる。このようにしてブラックホールの事象の地平面には3000Kの放射光が降り注ぐ。



3-6. 我々の宇宙に背景放射を行っている層について

我々が落下を続けてシュヴァルツシルト半径を超えたとき、空間が閉じ事象の地平で全天が覆われた。すると我々の周囲は外部空間からの光放射が完全に遮断される。すると空間に残った残光は次第に事象の地平に向かって吸収されていき、空間が冷却されていった。そのため我々の近辺の空間からはさまよう残光はほとんど無くなっていった。ただし一億光年の厚さの層から残光がなくなるのには、やはり一億光年程度かかる。これは光速度が有限であるための空間の畜光効果とでも呼べるものだ。


さらに我々の認識する宇宙空間は遠方空間ほど時間速度が遅くなっている。つまり遠方空間ほど落下を始めてからの時間経過が少ない過去の宇宙を見ていることになる。さらに遠方から我々に光情報が届くのは光速度が有限であるために時間がかかっている。この効果だけでも遠方空間は100億年以上、過去の姿を見ていることになる。従ってこの2つの時間遅れ効果を合わせると、我々が観測する遠方空間は数千億年以上も昔の姿を見ていることになる。


事象の地平のすぐ近くの赤方偏移が1000に近い層では、遠方なので我々に光が到達するのに140億年近くかかっている。つまりそれだけ過去の姿だ。さらに赤方偏移が約1000ということは、時間速度も我々の空間の約1/1000という事だ。そのため我々の空間に比べ、初期宇宙の時からわずかしか時間の経過していない空間がそこにはある。


するとその場所ではまだ空間が閉じておらず、外部空間の強烈な放射光に満たされた時代の空間だったのだろう。そこは宇宙ブラックホールの外部空間に形成され、宇宙ブラックホールを包みこむ超高温層になる。そのなかでも最内側にある約3000Kの黒体放射層がその場所だ。そこは約3000Kの放射光であふれていた。そしてその光は遠方なので、そこから約140億年かけて我々の場所に届いた。それを我々は宇宙の背景放射として観測している。これが宇宙の2.7K背景放射の正体である。


この赤方偏移が約1000の空間の後ろには赤方偏移が1000を超える空間もある。しかしそれらの空間からの光はさらに長波長でエネルギーが小さいことに加え、空間温度が高すぎ光が自由に動けない。そのため光放射自体が少ないし、さらに3000K黒体放射層の空間でほとんど吸収されてしまう。そのため我々には赤方偏移1000の空間よりも遠方の光情報は届かない。


3-7. 背景放射はなぜ均一な黒体放射になるのか

外部空間の水素やヘリウムのプラズマからの放射が線スペクトルにならず黒体放射になっているのは十分な(密度×奥行き)があるためである。これは太陽表面も主に水素、ヘリウムなのに黒体放射になっているのと同じことだ。


背景放射強度が極めて均一なのは、それが宇宙ブラックホールの同一の「事象の地平」に近いためである。事象の地平は距離がゼロにまで圧縮されているので、広大に見えていてもその正体は点であり、均一で等距離なのは当然の事となる。これに極めて近い場所にある宇宙の背景放射を行っている層も時間速度が約1/1000なので距離も約1/1000に圧縮されており、点ではないもののきわめて狭い範囲でしかない。そのため極めて均質な層となっている。



3-8. 背景放射に見られるわずかな不均一さの原因

前記の様に我々の宇宙から見ると、この宇宙の背景放射層は極めて均等である。ただし3000K黒体放射層の温度分布も完全には均一ではなく、特にそこに含まれる物質の分布も完全に均一ではないので、わずかな光放射の分布模様はある。また我々の大宇宙は中心核に対して公転しながら落下しているとも考えられるので、それによる偏りも有るだろう。また中心核に対して我々が公転している事も十分考えられるので、それらも天球の背景放射の偏りとして観測される可能性がある。


また空間が閉じる直前の落下方向とその逆方向では、空間が閉じた後でも事象の地平近くの背景放射が観測される空間あたりに若干の差異が残りそうだ。これらも背景放射の完全当方性を少しだけ破る原因となる。

リンク 詳細解説 → 宇宙の背景放射


遠方天体ほど、そこから光情報が伝わるのに時間がかかっているのだから、例えば130億光年先の宇宙空間から来る光情報は我々に130億年前の景色を見せてくれている。さらにそこからくる光は重力赤方偏移による赤方偏移で波長が約10倍になっているとすれば、それに伴い時間の速度が約1/10になっている。従ってその空間は130億年前の姿であることに加え、その空間が生まれてからの時間は我々が認識する時間の1/10しか経過していない。



宇宙の2.7K背景放射についての詳細検討、試算


以下は宇宙の背景放射に関する試算である。かなり端折った乱暴な設定ではあるが、基本線は妥当であり事実に近いと思っている。


我々の近傍の宇宙空間が宇宙ブラックホールに落下し始め、空間が閉じ始めたころ今見えている130億光年先の宇宙もやはりほぼ同じ位置関係にあった。赤方偏移もほぼ同じであったと仮定すれば、我々と130億光年先の宇宙空間、天体の落下速度が共に光速の1/5だったと仮定すれば、落下し始めてからの時間差は130億c・y(光年)÷(1/5)C=650億年。つまり650億年先に落下を始めた宇宙空間だといえる。


我々の銀河周辺が落下し始めてから150億年と仮定すれば落下距離は150億y×(1/5)c=750億c・y つまり750億光年となる。130億光年先の宇宙は落下し始めてから750億y+150億y=900億y つまり落下を始めてから900億年の時間が経過していることになる。


しかし我々の宇宙が落下し始めるころ、130億光年先の宇宙からは光情報が伝わるのに130億年必要なので650億年先に落下を始めたものの我々の観測では650億y-130億y=520億y つまり落下を始めて520億年の宇宙を見ていた事になる。


そこから我々の宇宙空間も落下を始め、150億年が経過した。すると130億年先の宇宙は落下を始めて520億y+150億y=670億y つまり落下を始めてから670億年の宇宙を130億光年の彼方に見ていることになる。


しかしこの130億光年先の宇宙は赤方偏移により時間速度が我々の1/10なので670億y×(1/10)=67億y つまり落下を始めて67億年の比較的若い宇宙を見ていることになる。この仮定による結果は現在の観測結果に近いだろう。130億光年かなたの宇宙空間にも比較的若い銀河が多数、確認されている。落下を始めてから67億年の宇宙空間なら、多数の銀河が生まれていても矛盾はない。135億光年先にも銀河は発見されているが、本論なら矛盾はない。しかしビッグバン論の標準的なストーリでは論理的な説明は不可能だろう。


次に宇宙の背景放射を行っている層はどうだろう。観測による予想では我々から約138億光年遠方とされている。赤方偏移は約1000であり、時間速度は約1/1000になる。


我々の近傍の宇宙空間が宇宙ブラックホールに落下し始め、空間が閉じ始めたころ今見えている138億光年先の宇宙もやはりほぼ同じ位置関係にあった。赤方偏移も同じ約1000であったと仮定すれば、我々と138億光年先の宇宙の落下速度が共に光速の1/5だったと仮定すれば、落下し始めてからの時間差は138億c・y(光年)÷(1/5)C=690億年。つまり690億年先に落下を始めた宇宙空間、天体だといえる。


我々の銀河周辺が落下し始めてから150億年と仮定すれば138億光年先の宇宙は落下し始めてから690億y+150億y=840億y。つまり落下を始めてから840億年の時間がたっていることになる。


しかし我々の宇宙が落下し始めるころ、138億光年先の宇宙からは光情報が伝わるのに138億年必要なので690億年先に落下を始めたものの我々の観測では690億y-138億y=552億y。つまり落下を始めて552億年の宇宙を見ている事になる。


そこから我々の宇宙空間も落下を始め、150億年が経過した。すると138億年先の宇宙は落下を始めて552億y+150億y=702億y。つまり落下を始めてから702億年の宇宙を138億光年の彼方に見ていることになる。


しかしこの138億光年先の宇宙は時間の進行速度が1/1000なので702億y×(1/1000)=0.7億y つまり落下を始めて0.7億年のまだ宇宙が閉じていない初期の宇宙を見ていることになる。この仮定による結果は現在の観測結果に近いだろう。138億光年かなたの赤方偏移が1000に達するような宇宙空間は、まだ空間が閉じておらず外部空間にある宇宙ブラックホールを取り巻く高温層の中にあった。高温層の中でも最内側に位置する約3000Kの黒体放射層にあったと推定される。


そのためここからの放射は3000K黒体放射であり、それが大きな赤方偏移(約1000)を受けて宇宙の2.7K背景放射として観測されているものである。


この3000K黒体放射層は温度分布や物質分布が完全には均一ではないので、多少のムラは存在する。しかしこの層では距離が約1/1000になっているので我々はかなり狭い範囲を大きく拡大して見ている事になる。そのため、宇宙の背景放射は多少のムラはあってもかなり均一だ。


リンク 詳細解説 →宇宙の背景放射について


● 観測事実との一致を確認 宇宙の2.7K背景放射 かなりの等方性と僅かな偏り



3-9.宇宙の大規模構造ができたメカニズム 

空間が閉じると物質が外部空間から持ち込んだ熱も、すぐに放熱されて絶対零度に向かって冷え込む。やがて物質やダークマターの重力で物質が集積し始め、恒星が出現し、銀河を形成する。


生成した物質が大宇宙ブラックホールに落下する際には、均等分散して降りそそぐわけではない。落下を始める前に既にある程度の部分集積がおこり、それらがある程度まとまって粘性流体の様に落下していくと考えた方が良い。これらにより銀河団、宇宙の大規模構造が出現した。またこれらは大宇宙ブラックホールに対して公転運動をしていると考えるのが普通だろう。


他の可能性としては宇宙ブラックホールを包む物質生成、正物質フィルター層の最下層には電子層ができている。

リンク 詳細解説 → 反物質が無い理由 → 外部空間と宇宙の背景放射


そこには常に電子が供給されていくので電位が上昇し、そのうち宇宙ブラックホールに放電(落雷)する。するとその強大な電流による光放射により落下物質粒子を押しのけ、何もない空洞状のボイドが発生し、それに伴い落下物質粒子が寄せ集められて凝縮したフィラメントという密集銀河群の構造の元ができた可能性が有る。


● 観測事実との一致を確認  銀河中心の巨大ブラックホールと河の大規模構造



3-10.宇宙の加速膨張と一般的には解釈されている観測事実についての説明 

ある観測事実から宇宙が加速膨張していると言われているが、それは観測事実を膨張宇宙論(ビッグバン論)に当てはめたときに加速膨張だと言っているだけであり、本当に加速膨張しているかどうかは別問題だ。


観測事実は赤方偏移を横軸に取り、縦軸にその天体までの距離を取ったときに、赤方偏移の増大に対し予測される天体までの距離が、赤方偏移が大きい領域では均等膨張だとした場合に予想される距離よりも遠くなりすぎることだ。同じ割合で膨張しているとして予測した赤方偏移の値に対する距離よりも、遠くの天体はより遠くにある。これにより現在の宇宙は加速膨張していると解説されている。さらに観測事実から宇宙の初期には逆に減速膨張だった可能性が有るとされる。


本論(宇宙ブラックホール仮説)によれば全ての天体は宇宙ブラックホール中心に対して慣性運動(等速落下)をしていることになる。


ここで宇宙ブラックホールの質量が中心核に一点集中だと仮定して試算してみると、我々の銀河から遠く離れた天体ほど位置エネルギー差(ほぼ∝赤方偏移)に対する距離は小さくなる。


これでは観測事実に反することになってしまうが、もう一つの事実として宇宙ブラックホールは質量が一点に完全集中したモデルではないという事だ。常に物質やダークマター(正ー反物質結合体)が落下し続けており質量がかなり分散配置されたモデルとなっている。


このようなモデルでは例えば我々の銀河近辺の様にまだ落下距離が浅いところでは、後から落下してくる物質やダークマターの量と割合が少ないので、宇宙ブラックホールは質量が一点集中したモデルに近い。


すると観測結果は前記したような位置エネルギー差に対する距離が近くなる。これをビッグバン論者から見ると空間膨張が初期宇宙では減速膨張しているかの様に見える。


逆に遠方銀河の様にかなり深く落下した天体、場所では後から落下してくる物質、ダークマターの量や割合が非常に多いので、宇宙ブラックホールは質量が一点集中モデルとは言えなくなる。


すると後から落下してくる物質、ダークマターが遠方天体の位置エネルギーの増加を緩和する方向に働き、観測結果は位置エネルギー差に対する距離が遠くなる。これをビッグバン論者から見ると空間膨張が加速しているように見える。


しかしそのように観測されたとしても、実際に空間が加速膨張しているわけではない。本論によれば我々の空間は宇宙ブラックホールへの等速落下過程であるから、遠方天体との距離は一定を保つ。宇宙空間全体のサイズは縮小していく。


本論では観測事実がどの様な物であったとしても宇宙ブラックホールの質量集中、分散度合いを変えてみれば観測事実に整合した説明が可能になるので、今後どのような観測事実が出てきても対処できるだろう。


リンク 詳細解説 → 宇宙の加速膨張について

--------------------------------------------------


● 観測事実との一致 超遠方天体はハッブル定数からの予想より暗かった(遠かった)




3-11.銀河回転運動の謎についての解明
銀河の自転速度に関する謎について、ダークマターというものを導入しないと説明が困難であるというのが現在での結論だろう。ここで私は具体的なダークマターの候補として電子-陽電子結合体や陽子-反陽子結合体(クォーク、反クォーク結合体かも)等を提案する。

リンク 詳細解説 → ダークマターの存在証明
リンク 詳細解説 → ダークマターのふるまい

これらは外部空間で質量やエネルギーが宇宙ブラックホールに近づき加熱され、次に冷却される過程で大量に生成した。その総量は通常物質の総量よりもずっと多い。

電子ー陽電子結合体、陽子ー反陽子結合体などを、ここではダークマター又は消失質量体と呼ぶ。これらは3次元空間における質量エネルギーと体積がゼロの物質だが、四次元時空間では同じ体積(真の質量)で存在する。
リンク 詳細解説 → 四次元体積保存則の提案

そしてダークマターには空間を歪めて重力場を作る能力のみがある。また質量がゼロなので光速で移動するが、通常物質とは衝突しない。しかしダークマターが作る重力場により通常物質に影響を与える。そして自身もその反作用を受ける。 

ダークマターが宇宙の成り立ちに与えた影響としては、その重力場を作る能力と光速移動能力で銀河中心のブラックホール成長に主要な役割を果たし、銀河やそれらの大規模構造にも大きな影響を与えた。

消失質量体(ダークマター)が通常物質の原子核近傍を通過すると進路が曲げられるので、銀河に広く高濃度に分布する通常物質によりダークマターの動きがジグザグ運動になり、その結果、ダークマターは銀河に長く拘束され、銀河に重力的影響を与える。→ ダークマターのふるまい

その結果、銀河の回転運動がケプラーの法則から大きく外れる様な動きをするようになった。

    
参考:S.Asadaブログより

ダークマターの正体    https://asada1223.blog.fc2.com/blog-entry-54.html
ダークマターのふるまい https://asada1223.blog.fc2.com/blog-entry-55.html
4次元体積保存則      https://asada1223.blog.fc2.com/blog-entry-57.html

● 観測事実との一致を確認⑦ 銀河回転の特異な運動
 
  

3-12.我々の宇宙は正物質のみで反物質が見当たらない事についての説明 

本論では外部空間というものが存在するので、正物質のみの閉鎖空間が作られるメカニズムはいくらでも考えられる。しかし特定することは多分出来ないだろう。そのためここでは、それらの内の一つの可能性を例示する。

例えば宇宙ブラックホールが正に帯電していたと仮定すれば、宇宙ブラックホール周辺にできた物質生成層の内側に正物質のみを通過するフィルターが形成され、正物質のみが落下して我々の宇宙空間を作った、という仮説が成り立つ。また正に帯電した宇宙ブラックホールが更に正の帯電を強めていくメカニズムも説明できる。これの詳細は下記を参照

リンク 詳細解説 → この宇宙に反物質が無い理由

● 観測事実との一致⑧- 我々の宇宙には正物質しか見つからない


3-13.宇宙の見かけ年齢について

遠方銀河は我々とほぼ同じ速度で落下しているので、距離は昔から大きな変化は無い。正確にはシュヴァルツシルト半径を超えてからは変化がない。遠方銀河は我々の銀河よりも先に落下した空間にある。だから未来の姿だとも言えるのだが、遠方銀河から我々の銀河まで光が届くのに時間がかかるので、我々の銀河との年齢差は縮まる。

更に遠方銀河は赤方偏移しているので、例えば波長が5倍になっていたら時間の進み方は1/5でしかない。すると遠方の銀河では我々の銀河よりも見かけ年齢が、かなり若く観測される事になる。 とくに赤方偏移が1000を超える宇宙の背景放射を行っている層などは時間が1/1000の速度なので、かなり初期の宇宙だという事になる。

● 観測事実との一致を確認⑨ 遠方銀河の年齢はビッグバン宇宙論で予測されるほど若くない。




4.質量エネルギー保存則に対する追加法則


現在でも質量エネルギー保存則は物理の最も重要な基本法則として存在しているが、宇宙論や素粒子における正、反物質の扱いなどでは厳密には扱われていない。ここでは四次元時空間ではどのような場面でも質量、エネルギー保存則は厳密に成り立ち、重力場や電荷の総量も厳密に保存されることを証明する。なお、本件に関しては本件に関連した専用ページも設けているので、そちらを参照されたい。

思考実験


4-1.”思考実験装置” の解説
上図の思考実験装置は外界からの影響は遮断されているとする。そしてAとBは完全に等しい質量の大質量物体であるとする。するとAーB間には重力による引力が働く(F=MA・MB・G/L^2)。しかしA、Bはワイヤーで発電モーターに繋がれており、これが回転しないと距離を変える事はできない。ここで言う発電モーターとは回転エネルギーを電気エネルギーに可逆的に変換する装置であり、変換効率は100%とする。

A、Bが近づく様に発電モーターを操作する。すると結合エネルギーが放出され、発電モーターが発電してバッテリーに電気エネルギーを充電する。逆に引き離すにはバッテリーから電気エネルギーを供給してモーターとして働かせ、A、Bを引き離す事ができる。話を単純化するために、これらの動きはゆっくりであるとし、運動量は無視できるものとする。

4-2.物質から質量エネルギーが完全に消失する事例 → 証明① 
上図でA,B2つの物質が重力場で結合していったとする。A、Bは大質量なので、大きな重力場を作り強い引力が働くものとする。これをワイヤーを通して発電モーターがくい止めている。ここで発電モーターをゆっくりと回転させてAーB間の距離を縮めることで結合エネルギーを放出させて発電し、その電気エネルギーをバッテリーに蓄える。

するとA+Bの質量は、バッテリーに移動したエネルギーに相当する質量(ΔM=Ef/c^2)が減少していく。逆にバッテリーの質量は(ΔM=Ef/c^2)だけ厳密に増える。これによりボックス②内の質量エネルギーは一定を保ち保存則が満足される。

ここで結合エネルギーが極端に大きいと大きな結合エネルギーを放出してA,Bの質量が完全にゼロになる事も想定される事になる。

この様に極端に大きな結合エネルギーを放出しうるのは重力による結合と電気力による結合の場合で容易に想定される。重力による質量消失は巨大スケールで起きる現象であり、電気力による質量消失はミクロ領域で起きる現象である。ミクロ領域の場合は電気力以外の強い力、弱い力も結合に参加しているかもしれない。

4-3.質量がゼロになっても、物質や重力場は存在し続ける → 証明② 

物質が結合エネルギーを放出して質量と体積がゼロになったとしても、物質は4次元時空間ではその四次体積元に変化はなく存在し続けている。時間軸が無限に伸びたために3次元空間での体積、質量がゼロになっているだけだ→四次元体積保存則の提案

重力場を作るのは質量、エネルギーではない。それは物質であり、物質の重力場を作る能力は四次元時空間での体積(簡易的には三次元質量×時間軸長さ)に比例する。この値をここでは真の質量または重力素量と表現する。

ちなみに本論では重力場とは物質の「真の質量=重力素量」により空間の時間軸が伸びた(時間速度が遅れた)状態である。時間速度に変化のある空間が重力勾配のある空間という事になる。この空間に物質を置くと、物質内部のランダムな運動量に影響を与え、通常なら打ち消されて外部に現れなかった運動量が出現する。これが重力により物質に発生する引力のメカニズムである。

先の証明で物質AとBを合わせた質量がゼロになってしまう場合があり得るとの結論に達したが、AとBを合わせた質量がゼロになったとしても、AとBが存在しなくなったわけではない。物質は三次元体積(質量)がたとえゼロになっても四次元体積は保存され、重力場も変化しない。以下でそれを証明する。

4-4. 質量消失現象の可逆性
上図の思考実験装置でAとBが結合エネルギーを放出して、限りなくその質量が減少していったとしても、この過程は可逆的である。バッテリーから電気エネルギーを供給して発電モーターがワイヤーを巻き上げA,Bを引き離していけば、もとの質量のAとBに必ず復帰する。

この事から質量は減ったり無くなったりしてもA、Bという物質はボックス①内にずっと存在していた事になる。つまりA、Bの座標では何も変化は無い。A、Bの視点(座標)では自身の質量も変化しない。あくまで外部観測者の視点での質量移動、消失現象だ。物理常識的に考えてもA、Bを構成する物質がロープを介してボックス①から抜け出すなんてことはあり得ない。ロープを伝って抜け出せるのはエネルギーのみだ。

またエネルギーがバッテリーに移動してボックス①内の質量がゼロに近づいたとする。もし重力場が質量によってもたらされるものなら、ボックス①内の重力場もゼロに近づいてしまう。もしそうなる、Bを巻き上げて引き離そうとしても引力がゼロに近づいているため、バッテリーからのエネルギーはほとんど逆流しない。つまりA、Bの質量は回復しないことになり、可逆性では無くなる。これは物理常識的にあり得ない。

この物理的常識を解説する。たとえば、BがAさん、Bさんという人だったとする。そして上記実験で両者を近付けていき、質量が半分になったとしょう。もしこの過程が非可逆的で、両者を引き離しても質量は70%までしか回復しなかったとする。するとこの人たちはどうなるのか?細胞数が70%に減少する?原子の質量数が70%になる?どちらもありえない。従ってこの過程は可逆的であるとしなければならならず、ボックス①内の重力場は変化していない。従って重力場を作っているのは物質そのものであり、バッテリーに移動した質量エネルギーではない。

結論としては重力場は質量エネルギーによってもたらされているのではなくA、Bという物質により重力場は作られている。質量やエネルギーは重力場を作らない。エネルギーは質量と等価であり慣性質量を持ち、重力場で加速度を受ける。


4-5. 質量消失を説明する4次元体積保存則の提案
このAさんBさんに起こる現象は4次元時空間での形状変化により説明できる。X軸での長さをx、Y軸での長さをy、Z軸での長さをz、T軸(時間軸)での長さをtとすれば、4次元時空では4次元体積x・y・z・tが保存されると考えるのが合理的だ。結合により大きく結合エネルギーを放出するとx・y・zつまり3次元体積が縮小し、四次元体積保存則よりtが伸びる。つまり時間速度が遅くなる。そして3次元体積で収容できなくなったエネルギーを放出する。

つまり物質は四次元体積が保存される存在であり、エネルギーは三次元空間で総量が保存される存在である。物質は時間軸方向に変形できるため三次元空間での体積(=質量)は変化できるが、エネルギーは三次元空間で総量が保存される量であり、時間軸方向に逃げることはできない。

そして4次元時空での保存則を満足させるようにx・y・zが縮小した分は時間軸tが伸びて4次元体積が一定となり保存則を満足する。これはその物質の時間が遅れることを意味する。

これを人で説明すると、大きく結合エネルギーを放出すると外部観測者から見たx・y・zつまり体積,質量が小さくなる様に観測され、tが長く、つまり寿命が長くなる様に観測される。

究極的には体積,質量がゼロになり、時間軸が無限に伸び、固有時間が停止する。

しかしその人たちの視点(座標)で見れば、その人たちの質量も時間も通常通りであり変化は無い。あくまで外部観測者の視点で見た時の話である。→ 四次元体積保存則の提案

4-6. 全ての結合エネルギー放出現象で現れる質量消失と時間の遅れ
重力場で結合エネルギーを放出して質量が減少すると時間も遅れる事は良く知られているが、本論によればこれは重力場に限った事ではなく、電気力、核力その他すべての結合エネルギーを放出する現象で質量の消失と時間の遅れはセットで起こっていると私は主張する。→私が提唱する四次元体積保存則から帰結する。

また従来は「重力場」という何か特別な未解明の場が存在するとされてきたが、本論ではこの物質により起こされた空間の時間遅れそのものが「重力場」であると主張する。時間の遅れた空間ではその遅れに比例して距離が縮むので、結果的に3次元空間も歪ませる事になる。また時間速度の遅い空間ではそれに比例で光速度も遅くなる。すると光は光速度の遅い空間に向けて屈折する。これが重力レンズ効果である。この曲がった光路は、曲がった三次元空間における最短距離であり、直線と定義される。



5.空間が閉じて反転するメカニズムの図解


この内容については新規ページを設けたので、そちらをご参照されたい。


リンク 詳細解説 → 宇宙ブラックホール内の景色と、閉鎖空間の出来るメカニズム。


リンク 詳細解説 → A view inside a cosmic black hole and - - - English edition



以下はしばらく併記するが、上記の方が正確。


BHS-6.jpg

ここでの大質量星というのはブラックホールのことである。そしてそれの表面とはブラックホールの事象の地平となる。つまりブラックホールの内側世界とは、観測者から見て中心核とそれを包む事象の地平面が全天に等距離に広がる。これは我々の観測している宇宙空間そのものではないか?というのが本論の発想の原点だ。


もう一度、我々の宇宙が巨大ブラックホールの内部世界であり、裏返し空間の宇宙だったら、についてまとめてみよう。


下図は観測者が宇宙ブラックホールに落下中だが、まだ空間が完全には閉じていない状態の図。


外部空間から観測者が落下していくストーリになっており、落下とともに物質の生成や正、反物質の分離、選択落下層がある。ここで正物質のみが選択落下し、我々の宇宙を作った。

次に約3000Kの黒体放射層があり、そこを過ぎると陽子が電子を捕獲し、空間を光が自由に通過できるようになる。すると宇宙ブラックホールの事象の地平面に効率よく放射光エネルギーが吸収されるので、空間温度が急激に下がっていく。この大量の3000K黒体放射光で照らされた事象の地平面近辺の残光が、現在も我々が宇宙の背景放射として観測されている2.7K放射の源である。下図はこの段階までの図解であり、空間が閉じて真っ暗な閉鎖空間ができる直前までの図解である。

202309173.jpg



下の三枚の図は観測者が宇宙ブラックホールのシュヴァルツシルト半径に近づき、さらにそのシュヴァルツシルト半径を超えて落下した状態を落下観測者の目線で解説したもの。次第にブラックホールの事象の地平が観測者に覆いかぶさるようになり、シュヴァルツシルト半径を超えた時点でついに事象の地平面は観測者を完全に包み込んでしまう。これは完全に孤立した閉鎖空間であり、認識できる宇宙はこの範囲となる。

空間構造変化①


空間構造変化②

空間構造変化③




下図は宇宙ブラックホールのシュヴァルツシルト半径内を落下過程の観測者が遭遇する世界を、事象の地平の外側の認識できない領域まで含めて表したものである。


BHD-4.jpg


大宇宙ブラックホールとは、ここで想定した巨大ブラックホールであり、我々の認識する大宇宙空間全てをそのごく一部として内蔵する。そのサイズは恐らくシュヴァルツシルト半径が数兆光年以上と想定している。我々の認識している宇宙空間とは上図の観測者から見た大宇宙ブラックホールの事象の地平で包まれた空間(最初の図の暗い領域)である。

事象の地平とはそこから観測者に物を投げて到達させるのに光速度が必要になる場所の事である。またはそこから発せられた光のエネルギーがゼロになって観測者に到達する場所である。従って事象の地平は絶対的な場所ではなく、観測者の場所(座標)次第で事象の地平の位置は変化するし観測者がそこに到達し乗り越えることなど原理的に不可能である。

遠方の観測者が見れば、事象の地平はシュヴァルツシルト半径の所になるが、落下観測者ネコにとってはそうではない。自由落下しながらシュヴァルツシルト半径に近づくと、その観測者にとっての事象の地平は後退する。更に近づくと更に後退すると共に、覆い被さる様に広がる中心核を隠すように観測者を包み込んでいき、シュヴァルツシルト半径を超えた段階で事象の地平で完全に包みこまれた閉鎖空間になる。

この様にして我々の知る宇宙空間は宇宙ブラックホールの事象の地平面ですっぽりと包まれている。更に全ての方向に宇宙ブラックホールの中心核が等距離に存在する空間構造のため、重力がバランスして無重力状態となっている。これはこの空間内の他の場所(例えば遠方銀河に住むクロネコ)からみても同じであり、彼から見てもやはり球体の中心に居る様に観測される。

観測者ネコから見て遠方銀河のクロネコは中心核に近いので重力ポテンシャルが低く、そこから来る光は赤方偏移している。波長が伸びた比率で時間も遅れている。遠方のクロネコから我々を見ようとしても、我々はかなり遅れて落下し始めた場所なので、彼らからは観測できないだろう。つまり観測者より先に落下し始めた天体は見ることが出来るが、後から落下してくる天体は見る事が出来ない。


6.結論    


ブラックホール内の閉じた空間構造は、我々の観測する宇宙と同じであった。我々は宇宙ブラックホールというシュヴァルツシルト半径が恐らく一兆光年を超えるブラックホールのシュヴァルツシルト半径内を落下している過程である。



オブザーバー論評

 (汗)   あくまでこの飼い主の主張であり、もちろん仮説だよ

 しかしダークマターの説明は明解で画期的だと本人は思ってるよ

 反物質が無い理由の解説も他論に比べて一番納得できるぞ

 作者主張:それより画期的なのはシュヴァルツシルト半径内の天体は空間が反転するので中心核の重力が打ち消され、重力加速度がゼロになるという結論だ。これで質量エネルギー保存則がどこまでも成立し、中心核の無限の圧縮も無いので特異点を考える必要すらない。本論によればブラックホール内部はさほど特殊な環境ではなかった! ただ空間が反転して裏返しになっているだけだ。宇宙全体として質量エネルギー保存則は成立し、重力場、電荷も保存される。特異点は存在しない。これは完璧に整然とした世界観だ。 


   おそろしやー   飼い主の思い込みもついにここまできてしまったか - - - 







筆者注釈:いろいろと試行錯誤の結果、この宇宙論はほぼ完成した?かな?  

新しい物理法則の提案(あくまで古典物理を逸脱しない範囲での拡大解釈)を含め、この宇宙の成り立ちを説明するストーリーをまとめてみました。


とりあえず私が私に説明するのに、宇宙の成り立ちに関する説明不可能な所がほぼほぼ無くなくなった。
私の感想では、たぶんこのストーリーは正しい!









Read More

編集後記


スポンサーサイト



Return

コメント






管理者にだけ表示を許可