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熱風ヒーターの世界戦略



次世代熱風ヒーターの提案について


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我々メーカーには世の中が求めるものの半歩先を行く製品を提案していかなくてはてはならないと言われている。


そこで一昨年から今年にかけて熱風ヒーターにおいてはTシリーズの提案とSAHD-8型の提案と、そしてコントローラのFCM-NR型を提案している。

ここで改めてこれらの提案をまとめてみた。


1.Tシリーズの提案

Tシリーズの10型(金属ケースの外径Φ13)
DSC_3375 (2)
ヒーター部からは電線類がひき出されていない。電線類はエアー供給のフレキシブルチューブ内を通り、その先にあるエアー接続金具からひき出される。上写真のヒーター取付金具はオプション
SAHD-10Tシリーズ


Tシリーズの8型(金属ケースの外径Φ10.5)
DSC_3240.jpg

TシリーズのSAHD-8型熱風ヒーター。小型,超高温,大出力熱風ヒーターとして最も優れた基本設計の製品だろう。

SAHD-8PT.jpg

主な特徴

従来の熱風ヒーターはヒーター根元部にエアー接続口と電線類引き出し部を備えた物だった。これに対しTシリーズはヒーター部には電線引き出し部を設けず、ヒーター部からは所定長さのフレキシブルチューブを備え、その先にエアー接続口と電線類引き出し部を設けたもの。

メリット

ヒーター部から電線類がひき出されていないので、ヒーター部付近が非常にすっきりした構成になる。電線類がヒーター部付近に露出しないので、傷ついたり焼けたり漏電したりする心配がない。濡れた環境や薬物,粉塵環境にも強い。

また熱風ヒーターのトラブルとしてリード線の繰り返しの曲げによる疲労断線が、かなりの割合を占めている。しかしTシリーズはヒーター部が可動でも、リード線が小Rで折れ曲がる心配がなく、電線類の疲労断線が極めて起こりにくい構造である。


2.世界戦略品種 熱風ヒーター SAHD-8型の提案

フィンテック社の熱風ヒーター(SAHD-8型)をSAH型高温熱風ヒータのボリュームゾーンを担当させる世界戦略品種として設定した。8型にはHシリーズとTシリーズかある。

特に中国における熱風ヒータの低価格品市場攻略が重要だと考える。これまで多くの日本企業は中国,韓国企業とのボリュームゾーン(最多販売価格帯)における価格競争を避けて高価格品,高機能品に逃げた。それが長期的な衰退の原因になっている。

そのためフィンテック社はボリュームゾーンにおける製品で、他を圧倒する機能をもった製品を投入する。もちろん同レベルの価格で。

SAH型熱風ヒータにおけるボリュームゾーンは電力で200w~500wクラスだろう。エアー量で言えば5L/min.~50L/min.。サイズで言えばR1/8ネジが使えるサイズ。価格的には末端価格で100ドル程度。

この様な条件に適合するヒータで低価格で他社を圧倒する高性能,高機能をもっていなくてはならない。

そのためには設計が重要だ。その点、このSAHD-8シリーズは基本的に安く大量に作れる設計であり、すべての人に使いやすいデザインとなっている。機能的にも熱風温度1000℃に対応(他社はせいぜい600℃~800℃),出力は同サイズの他社製品の約2倍~10倍,SC型の熱風温度センサー標準装備など際立った高機能製品だ。更にR1/8ネジに適合するので、配管に接続するにも標準的なアタッチメントを取り付けるにしても都合が良い。

更にきわめて頑丈なので、簡単な梱包で輸出の輸送環境にも十分対応できる(封筒での配送も可能)などボリュームゾーンを狙った世界戦略商品として資格は十分だろう。

                 品種                                  定価
①SAHD220v-1.4kw/8PH/+SC(N)    ¥15400.
②SAHD220v700w-/8PH/+SC(N)       ¥9530.
③SAHD110v-700w/8PH/+SC(N)     ¥15400.
④SAHD24v-170w/8PH/+SC(N)             ¥9530.

上記はHシリーズの場合であるが、Tシリーズの場合は上記価格に¥4421を加算したものになる。上記数量は10本以上の場合となる。価格は数量による下記の調整が入る。
1~2→×1.3 3~4→×1.2 5~9→×1.1 10 ~49→×1.0 50~99→×0.98 100~199→×0.96
200~299→×0.94 300~499→×0.92 500~999→×0.90  1000~→0.88

上記の内、②220v-700wと④24v-170wを世界戦略商品とする。価格は上記でスタートするが、販売が好調(従来品の20倍以上)ならば量産効果で更に値下げが可能になる。

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SAHD-8型の特長

金属ケース外径Φ10.5のスリムなヒーターだが、従来品の体積当たり2倍以上の高出力で1000℃の熱風を長期連続的に出す事ができる。

img_010140.jpg SAHD-8型 熱風ヒータ    SAHD220v-670w/8PH



スリムでシンプルな構造
img_417518.jpg 



img_1417541.jpg            発熱体部分   外径Φ6 HDコイル     高耐圧設計     


開発コンセプト
  
① SAH-6型とSAH-10型の中間を補完する品種。
② 高圧損設計として高温対応,高出力ヒータとする。
③ 低コスト対応が可能な基本設計とする。

具体的解説
  
① SAH-6型とSAH-10型の中間を補完する品種

電熱線の巻径等から適正電力を求めると4型は50~100w,6型は150~300w,10型は500w~1000wが適正と考えている。すると最も用途の多い350w~440wには設計的に最適なものが無かった。8型は200w~700wに最も適したサイズと考えている。すなわち最も需要の多いゾーンを担当することになる。

② 高圧損設計として高温対応,高出力ヒータとする

従来は高温対応は電熱線表面負荷を1/3程度に下げて対応してきた。しかしこの方法では発熱体サイズが3倍にもなってしまう。最近の知見では圧損の大きい(0.1MPa以上)設計にすれば発熱体内部で通過エアーが強い乱流となり、熱伝達効率が大きく改善される事を発見した。
  
この様な設計の発熱体ならば常用で熱風温度1000℃を可能にする。350w~440wクラスを10型で設計すれば圧損は0.03MPa程度にしかならない。しかしこれを8型で作れば圧損が0.1~0.3MPa(約10倍)となり、高い熱伝達効率が得られる。
  
そのため熱風温度1000℃での常用も可能になりサイズも小さくできる。しかしこのサイズでは内蔵熱電対に細い物(Φ0.65)しか使えない。そのためK熱電対では寿命の比較的短いSAHDヒータでも700℃以上は難しい。そこでN熱電対,R熱電対を選択可能とする事にした。
  
N熱電対はKに対して耐熱性が100~200℃改善されるので、800℃~900℃に対応可能となる。更に安心を要求するユーザーに対しては高コストだがR熱電対タイプも提供する。
  
また熱風温度センサーの設置方式は/+SC方式を基本とする。これにより温調器を使用していれば取扱ミス(主にエアー停止)による過熱断線をほぼ無くすことができる。
また細いサイズのヒーターに大きな電力を投入する設計では必然的に圧損が大きくなる。つまり発熱体に大きな風圧(約0.3MPa)が加わる。この様な強い風圧には従来の発熱体では耐えない。しかしHDコイル発熱体は従来品の20倍以上の耐風圧強度をもつため、この様な設計が可能になった。


③ 低コスト対応が可能な基本設計とする。

高圧損設計なので、発熱体には0.5MPa程度の風圧が加わる事もありえる。 これは2.5kgfの力に相当する。この強い風圧に耐える発熱体支持構造を考え出さなくてはならなかったが、従来のセラミックに溝を切る方式は寸法的に不可能に近い。そこで下写真のような構造を採用した。

img_44174.jpg 
基本構造としては従来と同様にコイルリングを使う。しかし従来のコイルリングは一体構造ではなかったため、一点の支持では強い力が加わるとリングが開いてしまい、コイルを支えきる事はできなかった。何しろ高温下では金属の強度は1/10程度に低下して鉛みたいに柔らかくなるので、風圧を支えるのは結構大変なのだ。
  
そこでリングを溶接でつなぐ事により一体化した。これならば1点の支持でもコイルリングは大きくは傾かず、コイルを支持し続ける事ができると考えた。写真はこの構造を採用した試作品。1000℃を超える温度で0.5MPa近い圧力を長時間(トータル1時間程度)加えたものだが、全く変形は見られない。
  
もう一つの大きなコストダウン要素は8シリーズの場合、金属ケースがΦ10.5×Φ8.5になるという事にある。このSUS管には直接Rc1/8を切る事ができる。Rc1/8は最も一般的な接続ネジといえ、様々な市販パーツや配管と簡単に接続でき、低コストでスピーディにシステムを構築しやすい。

img_1485558.jpg安価な市販の扇型(C型)ノズルや針ノズル等も使える。またエアー入口にも市販の豊富なフィッティング等が使えるので便利である。

dr-jpn.jpg

 

data220v-700w.jpg


高い熱伝達効率の理由を考えてみた。このサイズだと加熱管(石英管)の内径断面積は
S=(0.6[cm]/2)^2×π=0.2826[cm^2]
しかしここにセラミック管や電熱線が入る事により実質断面積は大きく狭まる。これの計算はむずかしいが、仮に1/5になるとすれば0.057[cm^2]という事になる。
ここで流量を50[L/min.]とすれば0.83×10^3 [cm^3/s] だから流速は
流速FS=0.83×10^3[cm^3/s]÷0.057[cm^2]=146[m/s]=時速526km
このような非常に早い流速となっており、しかも曲がりくねった電熱線の中を通り抜けてくるのだから猛烈な乱流となる。これがきわめて良好な熱伝達効率を生む原因だろう。

graph220v-1400w.jpg

このSAHD220v-1.4kw/8PHという製品はいささかやりすぎな感がある。この1.4kwという能力をひき出すには熱風温度が1000℃であったとしても供給エアー圧として0.5MPa以上が要求される。温度が低いと、もっと大きな流量が必要なので、もっと高圧力が必要になる。恐らくこのヒーターの能力が十分に活用される場はないだろう。 

この発熱体を半分にカットして出来る110v-700wと、約10%にした24v-170wのベースになる発熱体(d=Φ0.45)の基本形としての存在意義くらいか。

SAHD-8-110-700-tokusei.jpg




3.熱風ヒーター総合コントローラ FCM-NRの提案

DSC_0730_01.jpg


このコントローラは1台でエアーの流量制御と熱風温度の制御を同時に行う。エアー流量の自動制御は一般的にはアナログ動作できる特別な電磁弁を用いて高度な制御を行っている。(マスフローコントローラ)。しかしこの方式はコストが高く、それだけで5万円程度の原価になってしまう。これではたくさん使っていただける価格帯で販売できるような総合コントローラは不可能となる。

FCM-NRは一般的な電磁弁をサイクル制御(0.1秒周期)する事でエアー量のコントロールを行うという画期的な方式を採用している。これによりコストを大幅に下げ、更に独自のマイコン制御により高度な機能を盛り込んだ便利なコントローラに仕上げている。

これについては専用のページを設けているので、詳細はそちらを参照されたい。



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