2014-08-11 (Mon)✎
鎖国しよう!
日本国も近所付き合いは大変だ。特に非友好的な国とは疲れる。それに経済のグローバル化は世界経済の平均化なので日本人だけ高給というのは許されなくなる。平均化が進むと給料は月5万円又はそれ以下?
そこでこの際、江戸時代みたいに鎖国してしまえ!と言う意見も時々聞く
完全な鎖国はともかく貿易に頼らない自給自足国家をめざすのは正道だろう。自給自足経済ならば日本だけが豊かな生活を目指すエゴも許される。たぶんこれに大反対する人はいないと思うので実現の可能性を考えてみるのも面白いと思い、鎖国と日本の将来について私なりに考えてみた
つい20~30年前までの日本では鎖国して自給自足経済というのは非現実的だったろう。1億人以上の人口をこの国土の食料エネルギー生産能力だけで養うのは不可能に近い事だった。人口を半分以下に減らし、江戸時代並のリサイクル社会にして貧乏に耐えてやっと達成できるかな?というレベルだっただろう
しかし現在の科学技術,知見をもってすれば鎖国は現実的に可能かもしれない。しかも我慢の生活ではなく、少なくとも現状程度の生活をしながらの鎖国。もちろんすぐには無理であり、それなりの準備期間は必要だろうが - - -
鎖国するにはエネルギーと食料の自給体制をいかに作るか - - が真っ先に問題になる課題だ。それに加えて国防をどう考えるかが中~長期的に日本が生き残る上で最重要の問題となる。そこで以下にこれらの問題を私流に検討してみた
1.概要
安心,安全,快適な生活が出来ることが絶対条件だから、まず国土の大改造で地下居住方式に切り換えるべきだと考える。核戦争,他国の侵略や世界的な大気汚染,気候変動,巨大隕石の落下,大噴火,地震や津波,巨大台風,竜巻などに対する最善の防御は地下居住以外に考えられない
地下方式の具体案としては、個々の家やビルを地下方式にする方法もあるが、これでは防御能力が全く不十分だ
私の理想としては各地の地下深くに直径300m、高さ300mほどのコロニーを多数作る。最上階でも地下50m以上の深さで1つのコロニーの人口は約10万人。これを全国に1200個ほど作る事になる。 この様なスクエアに近いコロニーは最小表面積で最大容量になるが、 強度等で難しければ横長の直径100m程度の蓮根型もよいかも知れない。これならば掘り返す深さは150m程度ですむ。従って耐圧力も半分で済む
そしてそれらのコロニー同士を地下トンネルで結ぶ。地下トンネルは少なくとも3ヶ所以上の隣接コロニーと直接結ばれている事が必要だろう。 交通手段は縦に動くエレベータと横に長距離移動 (少なくとも隣町) できるエレベータの様なものになる。 クルマは地表に出て休暇を楽しむために使うものとなる
この程度の深度ならば核爆弾や巨大隕石の衝突にもかなり耐える。出口が塞がれても、他のコロニーへ地下トンネルで移動できる
下記に地下コロニー方式の防御能力をまとめる
核ミサイル攻撃,空爆→ほぼ完全に防御可能
地上兵力での侵略→防衛のためにNBCR兵器全て使用可能なので対処しやすい
BCR兵器(生物,化学,放射能兵器)への対応→ほぼOK
大隕石→直撃以外の衝撃波,熱気,津波,気候変動には対処可能
大気汚染,疫病→比較的簡単に対処可能
紫外線,宇宙放射線(太陽フレア,超新星など)対策→ほぼ完全に対処できる
地震,津波,台風,竜巻→地震以外はOK.地震も地下は影響が少ない
他にも地下にコロニーを設けるメリットは、気温の影響を受けず年中昼夜関係なく適温に近い事だろう。なのでコロニー全体を完全空調しても大きな電力は必要なく家やビルを個別に空調している現状に較べたら1/10程度の電力で済むだろう
また空調装置を完備しコロニー内にはフィルターを通した空気を送るのでPM2.5問題からも完全に開放される。放射能,毒ガス兵器,疫病などからの防御もやりやすい。後記する太陽光発電→水素発生の時に出来る副産物である酸素をコロニー内に導入すれば外気を採り入れなくても内部だけの循環で生活できるので、地上が長期間汚染された場合でも生き延びる道がある
照明はLEDが発達したので低消費電力で照明をまかなえる。ただし公共広場などは地表に設けた太陽光集光装置から光導管を通して照明する。こうすれば地表と同じような環境が再現でき「今日は天気が良いね」などといった会話も死語にならずにすむ。省エネルギーにも大きく貢献する
地上には破壊されてもあまり困らないものを置く。例えば農場や太陽光発電設備や観光施設。住居や重要施設は地下におくので地表は前記用途として使い、時々は地表に出て休暇をとる
一部のさほど重要ではない工場 も地表に置くべきだろう。しかしやはり一番の利用方法は食料生産だろう。人は地下コロニーに住むが、農業,酪農,漁業などに従事する人は地表で働く事になる。仕事が終わればコロニーの自宅に帰り、仕事中に戦争等が起これば急いで地下に逃げ込む
想定される最悪の状況 (地表が壊滅し,更に放射能汚染や疫病が蔓延) でも1ヶ月程度は地下に籠もってすごせる様に準備しておく。1ヶ月あれば、たいていの汚染は致死的ではなくなっている
2.エネルギーの自給体制
私の考えでは一番てっとり早いのが原子力。 100万kw×250基×稼働率0.7=1.75億kw
この程度あれば、水力,太陽光,風力を組みあわせ、蓄電設備を整えればエネルギー,食料自給社会は十分作れる。エネルギーさえふんだんにあれば、それから食料も作る事ができる。
原発は現在のような地上型はダメ。少なくとも地下50mより深い所に設置する必要がある。でないと外部からの攻撃に対して脆弱過ぎる。この程度の深度の地下ならば事故を起こしたり寿命で廃炉にするときにはそのままコンクリートを流し込んで埋めてしまうという選択も可能となる。放射性ガスは抜き出して別途処理する
原発の規模を小さくして10万人規模のコロニーに近接させて一基づつ設置していく方法もあるだろう。消費地まで近いので送電ロスも少ない
原発を使わないエネルギー供給となるとかなり難しいが不可能ではないと思う。例えば太陽光。1.5億キロワットを太陽光でまかなおうとすると必要面積は
S=1.5×10^8[kw]/0.03[kw/m^2]=5×10^9m^2=5000km^2
送電効率や変換効率,パネル面積占有率,劣化,貯蔵効率,予備を考えて3倍程度必要とすれば15000km^2
15000km^2は正方形にしてみると125km×125kmとなる。日本の国土面積は約38万km^2なので、国土面積の4%に太陽光パネルを敷きつめればよい。これは山林を使えば可能だろうし、海上や湖上に設置できれば設置可能面積は十分すぎるほどある
太陽光発電をメイン電源に考える場合、最も問題なのは電力の貯蔵だろう。何しろ晴れた日の昼間しか発電してくれないから、大量の電気を貯える技術なしでは使い物にならない。蓄電方法を検討してみると下記が思いつく
①揚水発電所
ダムに水をくみ上げて貯蔵し、必要時に水力発電。ただしこれはメインにはなれそうにない。なぜなら効率が悪く容量の割に広大な面積を必要とする。メンテも大変
②バッテリーを使う
1ヶ所集中では大変だが、個々の家に小さいものを設置すれば可能かもしれない。特に自動車のバッテリーを利用する方式が効率的に見える。発電状況の情報により各家庭の蓄電設備が充電,放電をコントロールするスマートグリッドが必須
③水素に変えて貯蔵
水を電気分解し水素に変えて貯蔵する。水素はそのまま自動車の燃料にもなる。個々の家に水素の形で分配し、自動車用に使ったり燃料電池で給湯兼発電を行なう方法もあるだろう
④金属マグネシウム等の形で貯蔵
既に提唱されているマグネシウム循環社会構想。酸化マグネシウム,塩化マグネシウムを余剰電力を使って金属マグネシウムに変える。金属ナトリウムも候補に上がる。金属マグネシウム等から直接電気を起こせるので、それで必要時に発電したりマグネシウム燃料電池で自動車を走らせることも可能
④位置エネ貯蔵?(私案)
揚水発電と同じ事だが、水ではなく100万トンクラスのコンクリート塊などを発電モータで引き上げて位置エネルギーの形で貯える
300mの落差があれば P=mgh=10^9kg×9.8×300m=2.94×10^12[J]
これをkwhに換算すると約82×10^4 kwh つまり82万kwhであり、10万人コロニー用としてはこれを1台程度備えれば、他の補助手段を組みあわせる事で必要な電力貯蔵が可能になりそうだ。立地は例えば300mクラスの塔を2つ作りコンクリート塊の昇降場を作る。揚水発電に較べて出力が最後まで減衰せずロスも少ない。 しかしこんな方式は誰も提案していない。たぶん相当無理があるのだろう
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太陽光を生物でエネルギーに変換する方法も有望な手段だ。これは昔から木を切って燃料にしてきた長い歴史がある。しかしこの様な方法では獲得できるエネルギーはわずかであり、需要を満たせない
後記する海洋を使った食料生産方式は、エネルギー生産の有力手段でもある。詳しくは 「3.食料の自給体制」 を参照。 海洋で生産した農作物はアルコールにすれば貯蔵もしやすく、発電用や自動車用燃料としても使える
核融合炉による発電が実現すればエネルギー問題も食料問題も永遠に解決する可能性が高い。これに期待したいが、残念ながらまだ目処がたっていない。しかしこの鎖国に向けた日本改造中には完成する可能性もある。もしそうなれば核分裂原発は即時中止だろう
鎖国とは方針が異なるが、太陽光発電でも電力貯蔵必要量を極小にする方法がある。各国の電力送電ネットワークどうしを全世界的に結ぶインターネット送電網を作るのが究極的な対策だと思う
太陽光発電パネルは全世界的に考えて砂漠など立地条件の良い所に重点的に配置するが、できるだけ世界中に分散させて昼夜や季節,天候などによる発電ムラを打ち消し合って全世界的に見れば常に一定量の太陽光発電が出来るようにすればよい
そうすれば、例えば日本が夜の時はアメリカあたりで太陽光発電された電力がインターネット送電網を介して日本に供給されることになる。しかしこれは理想論であり各国の政情,インターネット送電網(超電導送電 or 1000万v級直流送電?)のコストなど困難が多すぎる気がする
3.食料の自給体制
地下コロニーに生活圏が移っているので地表には農地が多く確保できる。葉野菜類についてはLED照明の野菜工場の方がよいかもしれない。畜産は当面は仕方がないとしても牛や豚などの感情豊かな高等生物を殺して肉を得るよりも組織培養して肉だけを作ればよい。魚も同様。これは比較的近い将来に実現するのではないかと思う
海上での農業が可能になれば量的な意味での食料問題は完全に解決するだろう。 中央太平洋の様な温かい海は沿岸部を除いた大部分の海面付近は栄養不足でありプランクトンが発生しにくく、そのため魚も少ない非常に生産性の悪い海だ
何故そうなるかといえば水は温かいほど軽いので上にたまり、栄養分は海底に沈んでそのままになるから循環が断たれる。 海面近くは栄養不足でプランクトンも魚も少ない。海底は栄養分が豊かでも太陽光が届かないからプランクトンは育たず魚も少ししかいない。 いるのは海面近くの魚が死んで沈んでくるのを待ち構えて食べている生物くらいだ。生産性は極めて低い
これが寒い海ならば事情が変わる。海面が冷えて水が重くなり、それが沈み込む事で入れ代わりで海底の水がわき上がり、 栄養分が海面近くに供給される。するとプランクトンが大量に繁殖し、それを食べる魚も豊富になる。そのため寒い海は日射が弱いにもかかわらず魚も多く生産性がよい。寒流と暖流がぶつかるところではこの現象がもっとはっきり現れ、よい漁場になっている
そこで現在の人類にとっては役にたたない生産性の悪い太平洋の中央部分を農業に活用できれば、人類の食糧問題など吹っ飛んでしまうだろう。方法は広大なイカダで栽培という方法も可能ではあるが設備とメンテが大変なので生産性が悪い
一番良いと思えるのは遺伝子工学などを駆使して海水でも育つ浮草植物を作る事だろう。栄養は芋の様な形で海中の根などに蓄えさせる。葉は水上に出ていると付着した海水が蒸発により塩分濃度が上がり、ダメージを受けるだろうから水面下浅くに浮遊性の葉を張る植物が良い。あるいは多量の水を吸い上げて葉から多量の汗をかく様なメカニズムで葉の乾燥を防いでも良いだろう
植物の育成には①太陽光,②水,③肥料(窒素,リン,カリウム)が必要だ。太平洋の真ん中だから①と②は十分ある。しかし問題は肥料だ。窒素は空中窒素の利用で解決する。カリウムは海水中に大量(0.38%)にある。しかしリンだけは綺麗な海水中には殆ど含まれない
リンがなくても育つ植物を創り出すか、リン肥料だけばらまくかだろう。いずれにしても理想的な浮草植物さえ作れれば後は何とかなる問題だろう
海底までパイプをおろし、栄養豊富な海底の水を汲み上げて海面にばらまくのがよいかもしれない。3000mの汲み上げでも落差が無いので、さほど大きな電力のポンプは必要ない
浮草植物は浮体をロープで結んだ数珠のようなものを海に浮かべ、その中で浮草植物を栽培する。あるいは完全な放し飼いで、採集船が捕獲して回る様な栽培方法もあるだろう
4.国防問題の詳細
安心した生活をするためには、完璧な防衛システム構築をめざさなくてはならない。現状では悪意のある国が故意に核ミサイルを発射して日本人を100万人単位で殺した後で「間違って発射した。関係者は処分した。ゴメンゴメン」などと言って笑って済ませてしまう事も現実的にありそう。現状ではやられ損になりかねない
この様なリスクに対するアメリカその他大国の対抗手段は、圧倒的な反撃能力を持ち「手出ししたら10倍返しだぞ!」と脅しをかける方法だった。日本もその傘の下に入れてもらっている。 本当に守ってくれるかどうかは心許ないが - - -
これは確かに有効な手段ではあるが軍拡競争を招くし、恐怖の軍事バランスは精神の安息とはほど遠いし、一歩間違うと人類が破滅しかねない。また損得計算のできないキチガイ相手には通用しない場合がある
他の方法はミサイル迎撃手段をしっかり持つ事だろう。しかしこれは現段階では確実な方法ではない。レーザー迎撃等の近未来システムが可能になったとしても巡航ミサイルまで完全に防げるかどうか疑問
何しろ1発でも見逃して迎撃に失敗すると100万人単位の死者が出かねないのだから、迎撃に頼りきるのなら100%の確率で落とせないとだめだろう。
他の大国のように核武装するというのも一つの選択肢だが、前記したように色々と問題もある。しかし「持っていません」と宣言するのは愚かな事。「やつら(日本国)はもしかすると隠し持っているかもしれない」と疑心暗鬼にさせておくのが強力な抑止力になる
しかし「1.概要」でもふれたように防衛問題は他国の侵略戦争だけではない。大隕石,公害問題,気候変動,疫病の流行,地震,津波 - - - これらには核武装やミサイル迎撃システムでは対処出来ない
そんなこんなで考えると、一番の防衛体制は先に述べた通り地下へ潜ることだと思う。100年~1000年のスパンで日本国の安全と平和を考えるのならば、これしか無いように思っている。海の中という方法も一案だが、水中核爆発や大隕石対策には十分な対処が難しい
しかし地下コロニー方式でもテロリスト対策は容易ではない。鎖国して外国人の出入りが無くなれば、かなり安全ではある。しかし自国内にもテロリストは必ず発生する。地下コロニーの様な高密度社会だと監視カメラ等で防御はしやすい。しかしこれらはプライバシー,住みやすさとのバーターになりやすいのでむずかしいところ
結論的には完全をねらっても無理だろう。テロによる多少の被害は覚悟した社会作りとなる。換気システムを完璧にしておけば病原菌,毒ガスには対処出来る。例えば換気は上部から清浄空気が供給され、下部から排気される。排気は高度なフィルター処理等をした後に酸素,二酸化炭素濃度調節をし、殺菌,空調してから安全性チェックした上でコロニー内に供給される
爆発物に関しては、建物を頑丈にしておけば、被害を限定しやすい。窓は全て安全合わせガラス。建材の固定はゴム弾性の接着剤併用。各階の仕切り床は気密構造として病原菌や毒ガスの拡散を防ぐ
2017/09/02 追記
弾道ミサイルはUターンさせて発射した場所に返すのがよいとドクター中松氏が言ってお笑いネタにされていたが、案外これはよいアイデアではなかろうか。弾道ミサイルは既に大きな運動エネルギーを与えられており、目的地に突き進む。しかし運動エネルギーはそのまま利用して方向を逆転させれば、大気圏外ならどこからでも来た道をたどり、ほぼ発射地点に到達する。
どうやって運動エネルギーはそのままで方向を逆転させるかが問題だが、コバンザメ型の迎撃ミサイルを弾道ミサイルと同じ軌道で側面から合体させ、進行方向と直角方向の噴射をすれば円軌道を描くので180°回転したところで噴射を止めれば発射地点にもどる軌道となる。その後、微妙な噴射を繰り返して軌道を微調整すれば発射地点を含めた敵国の任意のターゲットを狙う事も可能だ。
迎撃で破壊すれば破片その他で自国に被害が出ることも想定されるが、この方法ならば全く問題がない。このコバンザメ型迎撃ミサイルは巡行ミサイルにも適用できる。直角方向の推力制御は弾道ミサイルよりも複雑になるが、できないことはない。発射地点に戻すのは難かしくても、遠方の海上に落下させるくらいなら難しくないだろう。相手の運動エネルギーや推進力はそのまま利用して方向だけ変えるだけだから少ない推力で十分だ。つまり小型の迎撃ミサイルで対処できる。→低コスト
5.お金の問題、原発問題について
地下コロニー建設には莫大な費用を必要とする。付随設備の原発や太陽光発電設備,食料生産設備も同様だ。恐らく総費用は数千兆円以上だろう
実行するには100年,1000年先を見越した戦略が必要だ。100~300年かけて建設するのならば年間費用は十兆円程度となり、手が届く予算となる。これを実行しないと300年後,1000年後には日本が存在していないかもしれない、という認識、危機感が国民全体に共有できれば合理的な選択と言える
お金の使い方には国の経済をマクロで見て、良い使い方と悪い使い方がある。老人介護や医療などは金がかかり過ぎると悪者扱いされているが、カネの支出が国内である限り大きな問題はない。そのカネによって生活して行ける人が出てくるのだから 「カネは天下の回り物」 だとおおらかに考えてよい (ある程度だが)
その意味で地下コロニー作りや原発,太陽光発電設備などに使われるカネが国内で使われる限り、どんな巨額なカネであってもあまり心配しなくて良い。むしろ経済活動を活発にし、好景気になる効果すらありえる
悪いカネの使い方は海外へ出て行ってしまい帰って来ないカネ。例えば原発を止めることによりLNGや石油を追加輸入しなくてはならず、毎日100億円も余分に国外にカネが出て行く( 2014年頃の状況) のは国内経済に寄与せず、大きなマイナスである。もちろん他国の経済には寄与するが日本は貧乏になり、さらにCO2問題のつけは将来に大きなマイナス要因だろう
人命も金額換算して考える習慣をつけなくてはならない。例えば1億円あればたぶん1人の命を救えるだろう。方法は医療技術の研究開発に使ったり救急医療体制の整備や交通事故対策,各種災害を防ぐ対策に使ったり、また経済振興に使って景気を良くすれば自殺者(年間3万人)も減らせるだろう。金は命だと言って差支えない
その考えで行けば、原発停止で毎日100億円のカネが海外に流出しているということは日本人の命が毎日100人失われていると解釈しなくてはならない。つまり年間3万6000人が見殺しにされている。これは直接目に見えないから問題視されにくいが、長期的マクロ的にはこの理屈は正しいだろう
原発を止めたためにカネが有効に使われず、どこかで誰かが救済されずに死んでいく。事故や病気や地震などの自然災害や経済的困窮で。1時間に4人以上だから一刻の猶予も無い
原発を止める事による出費が無くなったからといって、それが全て人命救助のために使われるとは限らない、と言う意見は当然あるはず。 しかし正確にはつかみにくいものの、国内に残ったカネは回り回って多くの命が救われる。その数は1人1億円という見積もりと大きくは変わらないと思っている(数値的裏付けは無いが)
景気が悪くなるだけで中小企業経営者の自殺は急増する。 景気が悪いと製薬会社等の研究開発費が減らされ、 新薬や新医療技術の開発が遅れ、多くの人命が損失する。 景気悪化で税収が減れば道路補修や地震,火事対策,救急医療の費用がけずられ、将来災害で人命が損失する - - - 等々
原発停止を続けるかどうかは、原発を動かした場合の人命損失と、止めた場合の人命損失でどちらが大きいかを冷静に算出しなくてはならない。安全対策はかかる費用(人命換算)と、その費用をおしんで対策しながった事による人命損失予想を比較してブラフにし、人命損失が最少になるところが合理的な安全対策にかけられる費用である
福島クラスの原発事故が50年間に1回起こると仮定しよう。原発を止めておく場合の直接の死者は36000人×50年=180万人。しかしこれは「経済悪化による死者」は含めていないので実際にはこれよりはるかに多く10倍以上に達するかもしれない
実際に貿易収支はマイナスの10兆円近くになっている。この状態が続くと危険な水準である。負の連鎖が働いて50~60年前の経済水準にもどる危険すらある。そうなると死者は1000万人レベルで考えなくてはならない。餓死,栄養失調による病気, 医療費不足 etc - - -
また気候変動による死者も増えている。これも放置すると全世界では億人単位以上の死者が出かねない。化石燃料の消費はゼロを目指すくらいの気迫が必要
50年間原発を止めておく場合の最低の死者数を180万人と見積もるならば、50年に一度の事故で180万人以上の死者が出る可能性が高ければ原発は止めるべきだという議論も合理的だ。しかし原発も安全対策が進んでいるから福島クラスの事故 (実際は自然災害)でも、もっと低い被害で済むだろう。それに福島の事故では直接の死者はいない
福島事故クラスの経済的損失金額を20兆円と見積もれば換算で20万人の死者に相当するが、それでも180万人以上に較べれば十分に少ない。それに事故処理費用の大部分が国内支出ならば実際の悪影響は少なく、実質的な人命損失はずっと少ないだろう
2009年はつくづく悪いときに政権交代があったものだと思う。「とえあえず一度やらせてみよう」 などと呑気な選択をしたために無能な政府と無責任な日銀総裁が3年たらずで日本経済をムチャクチャにした。それによる犠牲者の数は最終的には数十万人では納まらないだろう。高い授業料だ
この事件を含めて誰が一番悪いのかを考えてみると小沢一郎氏ではないだろうか?昔は彼の信奉者が身近にいたので、結構隠れた能力の持ち主なんだろう、、などと思っていたが、とんでもない過大評価だった。 ただまわりを無意味にかき回すだけ。 全く生産的でない。 はっきり言ってバカではないか? あげぐの果てはみんなに見放され政党の体をなさなくなった。 それなのに生活の党と山本太郎と愉快な仲間たちなどと言う恥ずかしい名前に成り下がってまで政界に残ろうというのだから、 往生際もメチャクチャ悪い。 彼の存在による人命損失を計算したら、 数十万人になるんではないか?
経済のグローバル化は国による賃金格差を縮小する方向に働く。ただでさえ日本人だけが高給を維持するのは難しい。よほどの努力を続けないと世界平均並か、またはそれ以下にまで国民所得は低下する。つまり所得が1/5~1/10、平均年収50~100万円とかになりえる。平均年収100万円なら最低の人は30万円くらいになる。こうなると何人の人が生き残れるか。 それに何よりそのような日本国には誇りが持てないし、存在理由も無くなる気がする
6.現在ある領土問題をどう片づけ、地下資源をどう確保するか
北方領土,竹島,尖閣と、現在領有権争いのある地域をどう片づけて鎖国体制に入るかが一つの難関だ
北方領土,竹島については現状の実効支配を変更するのは難しいだろうし取り返してもさほどの経済的メリットは無いので、あきらめるべきだと思う
尖閣についても日本の実効支配を今さら変更するのは無理だろう。これは中国人にも理解してもらわないといけない
元々、ここを日本に返還したのはアメリカだから、アメリカに責任を取ってもらうのがスジだろう。方法としては尖閣はアメリカに再返還して沖縄返還前の状態にもどし、アメリカの実効支配地域にすればよい。尖閣は日本-アメリカ同盟の戦略的価値以外にはさほどの経済的価値は無いのだから
そもそもこの 「鎖国しよう」 プランでは大部分の国民は地下コロニーで生活し、 再生可能エネルギーか原子力の様なアンチCO2排出エネルギーを使い、高等生物を殺して食べない、と言ったストーリーを描いてきたので、そもそも地下資源などさほど必要としないし、広大な海洋もあまり必要無い。地下資源の内、石油,石炭,ガスなどはCO2を増やさないためにそっと手つかずにしておくのがベストだ
他の地下資源も輸入にたよるのではなく、リサイクル又は海底鉱脈等でまかなえる様にするべき。また海水には各種の元素が大量に溶け込んでいるので、海水から採る事も検討するべきだろう
ただし金など海水への溶存量が非常に少ない元素はむりかもしれない。例えば金は海水1Lあたり4×10^-9[g]。すると海水100万トン(1辺が100mの立方体に相当する。リッターで言うと10^9L) で採れる金はわずか4gとなる
これがウランならば3×10^-6 g/Lなので海水100m立方で4kgも採れる。しかしそれですら現状ではなかなか商業化は難しい。従って金の様に溶存量が極端に少ない元素は、できるだけリサイクルし代替材料を探し、残りはやむをえず輸入か海底鉱山を探すべきだろう
しかし別の考え方もできる。いくら密度が低くても海水は無限に近くある。例えば太平洋の100km×100kmは全体から見れば僅かな面積(北海道の約1/8)だが、深さは約3000mあるので
海水の体積V=10^5m×10^5m×3000m=3×10^13 m^3 =3×10^16 L
すると溶存する金は 4×10^-9×3×10^16=1.2×10^8 g =120 t にもなる
金額にすると1g→4500円の最近の相場であれば 1.2×10^8×4500=5400億円
同条件でウランならば12万トンにもなるのだから、原発も燃料不足を心配することはなくなる。リチウムなら600万トン、マグネシウムなら390億トンだ
ここでマグネシウムの溶存量の多さが際だつ。ナトリウムはもっと多いが、反応性が高すぎて構造材料としては使いにくい。その点、マグネシウムは構造材料として使える金属であり、実際に自動車のホイールやパソコン,ケータイのケースなどに使われている
そして日本に居ながらにして得られる構造用金属原料としては1番豊富であり、実質的に無尽蔵だ。なにしろ100km×100kmの海から390億トンもとれるのだから、これだけで日本国民1人あたり320トンにもなる。これだけ使えればマグネシウムだけでも地下コロニーが十分建造できる。しかもマグネシウムは一度作ってしまえばリサイクルが容易だ。海水から採り続ける必要は無い
それならば多少の困難は押してでも海水中から採取したマグネシウム合金主体で自動車や建築物を作っていくべきではないだろうか。そうすれば副産物としてリチウムやウラン,金,その他元素も採算が合ってくるかもしれない。マグネシウム合金はアルミよりも軽いので自動車に使えば燃費性能が向上し省エネ上も望ましい。難燃性合金も開発されている。唯一の弱点は耐蝕性だろうが、これもほぼ克服されている
なにもマグネシウムばかりにこだわらなくても鉄だって日本で結構とれる。しかし採掘のイメージが悪い。鉄は海水には殆ど含まれない。すると鉱山採掘のイメージとなり3Kの代表みたいになる。その点、海水中のものを吸着材や濾過材で採取するのはスマートだ。もちろん鉄も採掘できる範囲で使うべきだろう。しかし安いからといって海外調達は本論の趣旨に反する。安易な道は貧乏への道だ
海水は深海底から組み上げ、必要な元素を採った上で浅い海面に放出すると良い。 すると深海の養分 (特に燐酸) が海面近くに放出されることになり、 高栄養状態となるのでプランクトンが大量発生し、それにつれて魚類も大量発生するので良い漁場になる
海水中の塩化マグネシウムからマグネシウム金属を作るには多くの電力が必要だが、電力供給が安定している必要性は必ずしもない。ならば太陽光発電などのムラの大きい電力の余剰分で金属マグネシウムを作れば良い。太陽熱で直接金属マグネシウムを作る事も可能だ。この金属マグネシウムは燃料電池として電力を取り出す事も出来るので電力貯蔵手段ともなる
マグネシウム燃料電池による電気自動車も考えられているから、日本はマグネシウムを経済のベースにすべきだろう。 地下コロニー建設に必要な金属構造材料も主役は鉄ではなくマグネシウムにするべきと考える(輸入に頼りたくないため)。コンクリートの原料は国内で十分採れるので問題ない
世界中の海はつながっているから領土問題は関係なく海水からの資源は採り放題だろう。如何に効率よく海水から資源を抽出できるかにかかっている。効率の良い採集装置ができたら、それを黒潮や親潮の通路に仕掛けるのも良い手段だ
7.ふたたび地下コロニーの作り方について
地下コロニーは周囲からの岩盤,土砂,地下水の圧力に耐えなくてはならないが自重に対しては周囲の岩盤に力を分散させたり、浮力の助けがあるので要求される強度は比較的小さくて済む。地上ビルでは地震の時に問題になる低周波共振もほぼ関係ない
気密性が要求されるからマグネシウム合金複合材の圧力容器型で地下コロニーの外殻を作ると考えれば、厚さ3m~5m,直径300m,高さ300mの圧力容器になり耐圧力は50気圧程度(圧縮方向)が必要だろう。複合材厚さ5mの内、マグネシウムは約1mで計算すると
マグネシウム量=1×300π×300+1×2×150^2×π=423900m^3
これを重量に換算すると約74万トンになる。全国では約9億トンになる。
内部構造にもマグネシウムを多用すれば、必要量はざっと20億トン
更にトンネル材料にも多用すれば30億トンを超えるかもしれない。
¥10万円/トンとすれば30×10^8×10×10^4=300兆円
建設方法は現地での直接成形で金属(マグネシウム,鉄,アルミ等),砂利,コンクリートなどの複合材になると思う。腐食に対しては合金化と電気防食が有効だろう
ある程度掘って周囲を前記複合材で固める。そしてまた掘って周囲を固める。これをくりかえして深さ350m程度の外殻側壁を作る。底を半球形に作り、内部の構造物、例えば100階分のフロアと後で運び込むのが困難な大きな構造物を作り込む。そして地下50mあたりにふたを作り地表への通路(人,クルマ用エレベーターなど)を作った上で埋める
100年後くらいには老朽化により内部は全面的に作り替える必要がでるだろうから、掘り返して蓋をはずして内部を作り替える事が出来るように配慮しておく
完全な地下数百メートルだと50気圧程度の圧力に耐える外殻構造が必要になる。しかし高さ500mクラスの山の内部をくり抜いて地下コロニーを作り、回りの排水を十分にするのならば、コロニー外殻の耐圧力は大幅に低くて良い。これでも一応地下コロニーのメリットは出るので、この方が良い選択かもしれない
地下コロニーは100層構造とし、直径300mとした場合、1人当りの面積は単純計算で約70m^2。壁や公共スペース等をさし引けば40m^2となり4人家族で160m^2なので十分だろう
地下工場や学校,役所,商業地域,駐車場等は頑丈な気密型地下コロニー内に作る必要はなく、住居コロニー周辺の比較的低深度の所に作るのが経済的だろう。ただしコンビニ程度はコロニー内の各階層に必要
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