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地下居住計画の提案-日本の生き残り策


地下居住計画の提案 - 全ての問題を解決する究極の選択

我々は地下に居住すべきだ、というのが私の昔からの持論でもある。以下にその理由と具体的構想を示す。  


社会問題に取組んでみよう! シリーズ  2023/08/26更新   2020/11/11初版 


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1.概要


私は現在の地上型都市(家)を捨てて大規模な地下居住区に住むという選択を強く提言する。これは国防上のメリットが大きいが、地球温暖化対策,エネルギー対策でも大きな効果がある。数千年以上の単位で考えると、日本はいずれこの道を選ばないと長く地球上で生き残ることはできないだろう。ならば少しでも早く始めた方が良い。


まず温暖化,エネルギー問題については、地下居住区に移行すれば光熱費が恐らく1/10になる。交通費,運送費も同程度で済むだろう。つまり電気や燃料の消費が大幅に少なくて済む。


さらに地下50mよりも深い所に建設される大規模地下居住区なら、地表がたとえ火山灰や死の灰で埋まろうと、気温が60℃オーバーになろうと、氷河で覆われようと病原菌や毒ガスが広がろうと、100mの津波が来ようと風速100m/sの台風が来たって平気なのだ。大地震は多少の被害が出るかもしれないが、大深度地下では揺れは地表の数分の一になるので、大きな被害は出ない。


核兵器だって巨大隕石だって、よほどの直撃でない限り耐える。直撃を受けたとしても地下居住区を日本全国に分散配置すれば日本が全滅することはなく、十分に再建できる。近くの宇宙で超新星爆発があったり太陽表面の大爆発があったりしても地下50m以下なので、どんな有害放射線も十分に減衰して害がなくなっている。


大規模地下居住区建設には大きな資金が必要だが、本気で取り組めばできないことはない。いったん作ってしまえば一般の地上型都市と比べ維持費は格段に安くなる。たぶん1/10以下だ。


光熱費,交通費等の低減に加え、風雨にさらされる事も日光にさらされる事もなく、おまけに温度変化もほとんど無いのだから建物の基本構造の耐久性は長い。設計寿命1000年などということも問題なく可能だろう。もちろん内装のリフォームは20~40年毎に必要だろうが大きな支出ではない。大地震だって被害は大したことはないし防火対策も容易なので、大火に見舞われる可能性も少ない。 


この政策に必要な費用はまず国防費とエネルギー対策費などから大きな支出をするとともに建設国債を発行すれば良い。この投資は必ず近い将来取り戻せる。その後は低コストで安全で環境を破壊しない理想世界が実現する。きっと!


必要な労力は失業者の人たちの良い就職先になるし、自衛隊のみなさんにもできるだけご協力願う。何しろ国防に最もメリットがあるのだから。必要なら老人パワーの利用や学徒動員も辞さず。将来の日本のためです。もちろんプロの建設業者の方々にはリーダーになってもらいます。ただし外国人労働者はできるだけ避けた方が良い。建設資材の輸入もできるだけ避けたい。国防上の機密事項が多いし、可能な限り日本人自らの手で、国内で調達できる資源のみでやり遂げるべきだ。


現在の居住方式に関する世界的な方向は最悪だ。都市化、超高層ビル化がトレンドだが、国防、生き残りの観点からは最悪だ。戦争になった場合の敵の攻撃やテロリストが攻撃を考えた場合、超高層ビルで構成された都市は格好の攻撃対象だ。非常に効率よく大きな損害を与えることができる。アメリカの9・11事件が良い例だ。核兵器による攻撃でも格好の標的にされる。その他、この地下居住計画のメリット全てが現在の都市化、超高層ビル化のデメリットだと思ってよい。つまり人類は自ら滅亡に向かっているように見える。まるでバベルの塔みたいだね

地下居住区1



地下居住区2

学校、老人ホーム、警察署、消防署、市役所などの公共サービスは地上に設けるか、又は地下居住区の公共広場の一角を使用する。ただし生存に必須な機能以外は出来るだけ地上、又は低深度地下に設けた方が良い。これは主に経済的な理由による。


2.大規模地下居住区の構造、作り方


上図は約60万人規模の大規模地下居住区の構想図である。この計画が実行されると上図のような居住区が全国で約200ヶ所設けられ、全国民を収容できる。それぞれの居住区は独立した運用が可能なので、どのような災難に見舞われたとしても日本民族が絶滅する事は無く、長く存続できるだろう。


この居住区の外殻圧力容器は自然の岩盤を利用すれば低コストで済むだろう。しかし自然の岩盤は自然の力で崩れる事もある。できれば周囲の岩盤などに頼らず独立した圧力容器が望ましい。そして周囲の岩盤と圧力容器の隙間を砂や高粘度液体で満たしたフロート構造にしておけば地殻変動にも強くなる。


この図の通りに厚さ10mの圧力容器を作るとすれば、コンクリート等との複合構造になるので鉄材としては2000万トン程度か。内部構造を含めれば3000万トン程度だろう。膨大だが日本の生産能力から見ても不可能ではない。


しかし鉄は原料の
多くを輸入に頼らなくてはならず、製鉄時には二酸化炭素も出やすい。さらに鉄は錆びやすく耐久性に難がある。


そこで海水中にはマグネシウムが実質的に無尽蔵に存在するので、これを利用して外殻圧力容器を作る方法も考えられる。耐蝕性マグネシウム合金とバイオプラスチック、さらに国産できる材料であるコンクリートからなる複合構造だ。更に海水中のもう一つの大資源である食塩から構造材料を作れるかもしれない。ひと工夫が必要だが岩塩はかなり丈夫だ。マグネシウム採取済みの食塩は潮解性も少ない。これで岩塩状のブロックを作りプラスチックコーティングすれば、良い建築材料になるかもしれない。
 粘度を固めて焼いたレンガやコンクリートブロックに勝てるか?


海水1立方kmあたりにはマグネシウムが130万トンも含まれている。マグネシウムは洋上または無人島周辺に設けた大規模な太陽光風力発電所に隣接された洋上精錬工場で、海水中の塩化マグネシウム,硫酸マグネシウムから作られる。 この組み合わせなら送電線も原料搬入も必要なく、独立して可動し続けるマグネシウム工場になる。ほぼ無人で金属マグネシウムを生産し続ける事が可能だ。無人の精錬工場なら太陽光、風力発電のような不安定な電力でも対応しやすい。このマグネシウムは金属構造材料としてだけではなくマグネシウム燃料電池の燃料にもなり、発電したり燃料電池車を動かす事ができる。場合によってはそのまま燃やす燃料にもなる。非常に有用な基礎資材になりうるので、日産1万tクラスの太陽光風力発電の精錬工場が全国で20ヶ所ほど欲しい。


この居住区は直径400m,長さ2000mで60万人近くが居住でき、短期間ならこの内部だけで自給自足できるだけの設備、ストックを持たせる。ただし大規模な農場,牧場,発電所,大工場,リゾート施設,別荘などは地上または比較的浅い地下に配置する。地下居住区は上端が地下50m以下で最深部約500mになるように埋設される。
耐圧は外圧に対し80気圧程度必要だ。これはあらゆる災害や脅威に対して強い抵抗力を持つ。


埋設は平地の地下か、山の中腹をくり抜いた地下になるだろう。山の中腹の場合は外殻圧力容器に要求される耐圧が少なくて済む。ただし地域によっては立地条件を満足する建設場所がない場合もあるだろう。阪神地方なら六甲山系、生駒山山系などよさそうな山がある。中部地方なら日本アルプスが適地だ。


居住区画は100平方メートルの規格だが、これはこの空間が提供されるという事であり、玄関の仕様や内装は個人の自由に任せたほうが良いだろう。ただし最低限の安全基準や美観基準は設けなくてはならない。人間関係、親族関係などの都合で引っ越したい場合もあるだろうから、その辺の対応も柔軟に対応しなくてはならない。またお金のある人や大家族の人などは二区画、三区画を欲しがるかもしれない。その様な要望にもある程度は対応すべきだろう。そのような場合、強度の許す範囲で区画の壁の排除もできたほうがよい。逆に単身者用などに1/2、1/4の区画も準備しなくてはならない。



3.大規模地下居住区建設の真の意味-完璧な防衛能力


この居住区が想定する最も重大な脅威とは数千万年に一度起きる、そして次は来年かもしれない大規模天体(彗星、小惑星)の衝突だ。前回(約6550万年前)は恐竜はじめ多くの生物が絶滅した。衝突で巻き上げられた粉塵は世界中に降り積もった。想像を絶する大災害だった。


恐竜はそれまで1億6千万年もの間、地球生物の主役として繁栄してきたのに、それが一瞬で絶滅してしまったのだ。人類の歴史なんて、せいぜい500万年程度だから如何に恐竜という種が強かったか、また大規模天体衝突がいかに生物にとって過酷なものであるかが分かるだろう。


それから十分に長い年月が過ぎている。そろそろ次が来ても不思議ではない。そして次が人類の絶滅にならないように備えなくてはならない。つい最近も木星で大規模天体の衝突事件を目撃したばかりだ(1994年7月シューメーカー・レビー第9彗星)。この時は木星に地球の大きさほどの傷跡ができた。これと同じような事件が地球にいつ起きても全く不思議はないのだ。


小さい天体ならしょっちゅう落下している。少し大きめの物ではロシアの事件(2013年)が記憶にある。この時はかなり被害もでた。しかしこれは比較的小さな天体だった(直径約15m)。1994年に木星に衝突した天体は多数に分裂して落下したが、最大のもので直径約1270m。直径が約100倍なので、また複数あったので総質量は約100万倍程度だろう。


これらがもし地球に衝突していたら人類の存亡にかかわっていたかもしれない。しかしこれですら6550万年前の天体衝突に比べれば小さい。このときの天体の質量は1994年に木星に落下した物の更に1000倍だった。 衝突爆発の規模は広島、長崎の原爆に比較すれば10億個分に相当する。衝突による衝撃はマグニチュード11以上(東日本大震災の千倍、阪神大震災の百万倍)、発生した津波の高さは約300m。しかし可能性を言えばこれでも最大とは限らないのだ。


しかし天体衝突の危険度は今後、徐々に低下していくだろう。なぜなら地球に接近する天体の探査能力はどんどん向上する。すると接近を早期に発見して衝突天体のコースを人為的に変えることで、衝突を回避できるようになるためだ。


しかし我々に降りかかる脅威はこれだけではない。例えば他国の侵略、核戦争、ウイルスや毒ガス攻撃、未知の病原体によるパンデミック等に備えなくてはならない。地球外生命体の侵略もあり得ないわけではない。


2022年4月に始まったロシアによるウクライナ侵略は他国の侵略や核戦争が決して杞憂ではないことを我々に突き付けた。このことからもこの地下居住計画の必要性が増大したと思う。他国の侵略、特に大規模核戦争に耐えて確実に生き残れるのは、この地下居住区だけだろう。小規模な地下シェルターでは短期間は生き残れても、年単位以上の時間スケールでは先が読めない。予想される未来は悲惨なものとなりがちだ。これに対し地下居住区なら将来を見通した生き残り対策が可能だ。たとえ世界が全滅に近くても日本は普通の生活を続けることができる。


 核兵器を含めた空爆などには強い地下居住区だが、地上兵力には万全ではない。地下連絡口に攻め込まれると対処が難しい。いろいろなトラップである程度は阻止できるが何度も波状攻撃されると守り切れない。そのため地上兵力に対しては地下連絡口に近づけないように防衛すべきだ。通常地雷、通常火器、ドローンでまずは防衛し、それでも防御しきれない場合は核爆発で敵を撃退してもよい。侵略者に対して国内で核爆発を使っても誰も文句は言わないだろう。花火を打ち上げるように地下から核爆弾を上空1km程度に打ち上げ爆発させる。通常火力で応戦するにしても、毒ガスや核兵器を使うにしても地下居住区にいる自国民にはほとんど影響がない。だから遠慮なく派手に応戦して敵を撃退できる。もしくは静かな核爆発ともいえる臨界中性子放出地雷が良いのではないか。この地雷は敵が上を通ると埋設したタンクに核物質溶液を送り込み、臨界に持ち込む。すると大量の中性子線を放出するので、戦車の中の敵も含めて静かに全滅させることが出来る。いずれにしても地下居住区に逃げ込んでいれば核兵器でも毒ガス兵器でも放射線兵器でも自由に使えるので、準備さえしておけば敵の地上兵力も大きな脅威ではない。


「世界は一つ、人類は皆兄弟」なんてのは信じてはならない。適者生存の厳しい競争世界であり、色々な人種,民族が地球上での生き残りをかけて競っているのだ。このプラン実行は地球における日本民族の生き残りを確実にするだろう。



4. 天体衝突や核戦争以外でも予想される悲惨な未来


地球規模の気候変動も日本民族の存続にとって無視できない大きな脅威だ。これにも地下居住区建設がほぼ唯一対抗できる手段だろう。従来のような地表型都市だと冬は冷たい大気に奪われる熱エネルギーを補給しなくてはならず、夏は太陽からの巨大な熱にヒートポンプ(エアコン)で対抗しなくてはならず、多くのエネルギーを浪費する。そしてエネルギー浪費が原因の地球規模の気候変動(温暖化)により、ますます多くのエネルギーを必要とするようになるだろう。


そのうち経済的にも物理的にも破綻してしまうかもしれない。平均気温が10~15℃高くなることは過去の地球の歴史からも想定しなくてはならない。これは人類がたとえ温暖化ガスを排出しなかったとしても、自然のサイクルだけであり得るという事だ。さらに人為的な要素(温暖化ガスの大量排出)が加わるので、さらなる気温上昇も想定した方がよい。


例えば太陽からの距離では金星と地球はさほど大きな差は無いのに、金星の気温は460℃で92気圧だ。地球も最悪はこれに近い環境になり得ると考えた方が良い。この環境ではさすがの地下居住区でも生き残れない。だから温暖化ガスの排出は何としても激減させなくてはならない。


金星並みとまで行かなくても地球の過去の歴史であったような平均気温が10~15℃高くなるだけで西日本や関東地方の地表で都市生活ができるとは思えない。夏場は50~55℃を想定しなくてはならないからだ。
現在でも温暖化の影響が各地で出ており大変な状況だが、実際には平均気温としてはまだ1℃しか上昇していない。10℃の上昇がどんな影響をもたらすか想像できない。


広大な国なら高緯度地方に移住するという方法もあるだろうが、日本の場合は移動はほとんど無理であり、現在の場所で頑張るしかない。


気温上昇ばかり言ったが、逆に寒冷化で氷河期が来ることも、過去の地球の歴史から想定しなくてはならないだろう。これも人類にとって非常に厳しい事態を招く。食糧、エネルギー問題は温暖化よりも深刻かもしれない。


しかし、もしそうなっても地下居住区なら安全、快適である。エネルギーの浪費を避けながら人々が健康で文化的な生活を続ける事が可能だ。例えば地表の気温が平均10℃上がったとしても、地下100mなら地表の年平均気温に近くなるため、西日本では28℃、東北や北海道では20℃以下だろう。東北、北海道以外では地下水への直接放熱は困難になるのでヒートポンプ(エアコン) を使用しなくてはならなくなるが、地下居住区は比較的狭い閉鎖空間なので、エネルギー消費は大したことはない。


地下居住区でどの程度ヒートポンプが必要かは、どの程度低温の地下水が確保されるかによる。18℃以下で毎秒10トンの地下水が確保できれば、そして熱交換器でそれに5℃の温度上昇を与える事ができれば、


地下水への放熱可能な熱量 P=4.2J/g/K×10000000g/s×5K=21万kw 
これに対し60万人の人口で1人300wの発熱をすると仮定すれば総熱量は18万kw。

つまりこの条件ならばヒートポンプに頼らなくても良い。しかし現実にはこの条件が確保できる地下居住区は多くない可能性があり、また先に述べた温暖化で地下水温が28℃以上になってしまった様な場合はヒートポンプで補う必要がある。それに湿度調整や給湯にはヒートポンプが必要なので、ヒートポンプがゼロという状態にはならないだろう。なお、地球が寒冷化した場合もこの地下居住区なら完璧だ。寒冷化は放熱しやすくなるので、温暖化より対処は簡単だ。ただし地表での食糧、エネルギー生産は苦労するかもしれない。


人が生きていくのに最低限必要な空気(酸素)、水、食料の確保については6.以降で述べる。



5.地下居住区の建設スケジュール


上図のプランはかなり余裕のある居住空間になっているが、もっと節約すれば同サイズで80万~100万人程度が居住することも可能だろう。特に公共広場に多くの容積を割り当てているのは贅沢である。しかし有事の際、隣の居住区が被害を受けた時など、そこの住民をしばらく受け入れなくてはならなくなる。その様な時に余裕のスペースが役にたつ。


建設は一気に進めるよりも1つの居住区を5年程度の工期と20兆円程度の予算で作り、1000年かけて完成させる、という方式が良いかもしれない。これなら年間4兆円の予算ですむから着手しやすいし失敗も少ないだろう。


1000年というのは日本民族にとってさほど長い期間では無い。居住区の建物の設計寿命を1000年にしておけば、建設が全て完了した段階で、その時の最も古い居住区から順番に建て替えしていけば、ちょうど良いローテーションだ。 


それに建設が進むにつれ省エネが進むので日本全体での生活費、住居維持費が低減していく。すると建設に振り向けられる予算を増やす事が可能になり、地下居住区の建設が加速するだろう。



6.地下居住区の空気、水、食料の供給問題


空気は基本的には循環させるので、外部からの供給は消費された酸素分の補給だけでよい。核戦争の後など外部大気にフィルターで除去できない種類の汚染がある場合には二酸化炭素の還元か水の電気分解で酸素を得る。平時に内部で発生した二酸化炭素は外部に放出するか炭酸カルシウムなどの形として地中に埋める。または建築資材として利用する。


水も完全な循環使用が可能であり、外部からの水の補給を殆どなくす事が可能だ。多少コストはかかるだろうが安全保障のためには、その方が良い。完全な循環使用は心理的抵抗があるかもしれないが、たぶん慣れるだろう。


食料は単純にカロリー、栄養素だけの問題ではなく食の楽しみも重要なので、ある程度は世界各地からいろいろな食材を輸入する必要があるだろう。それでも食料自給率は安全保障上、カロリーベースで60%程度は確保しなくてはならない。地表からは住居が無くなるので農地、牧場用のスペースは増加する。これらを大規模経営することで自給率を現状の2~3倍程度にはできるだろう。さらに豊富にある海をいかに利用するかが重要だ。魚介類の養殖に加え、海面での食料生産を考えるべきだと思う。


非常時で地表での農業、漁業、牧畜が打撃を受け、食糧生産が間に合わなくなった場合は1~2年程度は備蓄食料で耐える。それ以上の期間、食糧生産が低迷すれば電力による照明を使った地下農場で食糧生産することになるだろう。これは備蓄食料で食いつないでいる間に増産を立ち上げなくてはならない。


話は平時の食糧生産にもどるが、遺伝子工学を活用して海面で育つ穀類、イモ類が効率よく生産できる植物を開発できれば食糧の大増産が可能だ。ただこのようなアイデアは理想であり、できるかどうかもわからないので実行スケジュールには入らない。ただしこれができれば世界の食糧問題は解決する。しかしそれは一時的だろう。過去の例からわかるように画期的技術で食糧の大増産ができても、それに伴いすぐに人口が増加してしまい、いつまでたっても食糧危機の心配から脱することができない、という事態を繰り返すだけになりかねないからだ。とりあえず世界のことは置いといて日本のことだけ考えよう。



7.熱収支設計,エネルギー供給問題


地下居住区は外部とほぼ断熱された世界だ。そして内部で人が文化的な生活するので省エネ居住区とはいえ300w/人程度の熱は発生するだろう。この熱をいかに外部に捨てるかだけを考えればよい。つまり暖房費はゼロだ。熱を捨てるには循環させている居住区内の空気から熱交換器で地下水に放熱するのが一番効率が良い。


西日本地域では地下居住区の近くには年中18℃程度の理想的な地下水が存在するだろう。なぜなら地下数十メートルになるとその深度の温度は年間を通じてほぼ一定であり、年平均気温とほぼ等しくなるためだ。また海洋水、特にそれの深層水(約10℃)が確保できれば、それも良い放熱先だ。 


しかし それだけでは間に合わない分があればヒートポンプ(エアコン)を併用して水や大気中に放熱することになる。しかし恐らく大きな割合では無く冷房費はわずかだろう。


60万人規模の居住区のエネルギーは全て電気で賄われ、約20万kwの電力で済む。これは水力発電でも太陽光発電でも比較的容易に調達できる量だ。例えば太陽光発電なら1000万平方mもあればよい。これは1000
ha(3.3km×3.3km)の面積でしかない。住民は地下に移住したので地表は余っており、土地は容易に調達できる。


地表に設けた工場やホテル等は送電線に頼るのではなく、すべて自前の太陽光発電所を持ち、エネルギー的には自立していなければならない。


しかし太陽光発電に頼り切るのは危険だ。地表にある太陽光発電所は脅威に対して極めて脆弱であり、容易に破壊される。また天体衝突や大規模核戦争のあとには長い長い冬がくる可能性がある。大気中に巻き上げられた大量の粉塵等で遮られ日照の弱い年月が続く。そのため発電量が激減するかもしれない。だからこれを乗り越えられるだけの緊急用発電所を確保しておかなくてはならない。尚、この発電所は地下に設けられ、平時には使用しない。


発電所の種類としては原発が合理的だろう。地下深くに建設が可能であり、燃料を大量に長期保存が可能なので、燃料を補給することなく数年のレベルで発電させる事が可能だからだ。原発は地下水脈より十分深い地下に設ければ安全性の問題は全くない。最悪、大規模事故が起きてもコンクリートで埋めてしまえばよい。廃炉作業も不要で埋めるだけで良い。この原発は目的用途からみて1回だけ使えればよい。燃料の交換機能などは不要で設計寿命も5~10年の稼働時間で十分なのでシンプルな構造で済む。


原発以外の方法としては2. で紹介した洋上のマグネシウム精錬工場で海水中に無尽蔵に存在する塩化マグネシウム等から、これも無尽蔵にある太陽光、風力、潮力で発電した電気で精錬工場を動かし、金属マグネシウムをどんどん作り地下に大量に貯蔵しておくことだ。金属マグネシウムはどんなに大量にでも貯蔵可能であり、これで燃料電池を使って電気が得られるので、太陽の見えない年月が続いたとしても地下居住区で生活ができる。昨今は水素で貯蔵する案が有力視されているが、私は金属マグネシウムの方が空間エネルギー密度が高く安定だし、そのまま燃料にもなり構造材用にも使える多用途性から金属マグネシウム貯蔵を推したい。


粉塵による長い長い冬の間、食料は備蓄の取り崩しと、それで不足する分は電気照明の地下工場で生産するしかない。美味しいものは食べられなくなるだろうが、長い冬が過ぎるまでの辛抱だ。



8.医療、介護支援体制

従来は老人や障害医療、介護の問題点は住居が広く分散しているのが最大の問題点だった。訪問介護等は医師や介護者の時間が移動のために多くを奪われ、効率が悪い。医療、介護を受ける側も緊急時に間に合わないかもしれないので、不安から入院という手段に頼ることが多かった。

しかしこの地下居住区なら住民がコンパクトな居住エリアに集中しているので、医療、介護は非常にやりやすくなる。医者もよほどの重病人でない限り入院させる必要がなくなり、往診で済ませられるようになる。老人も訪問介護で済ませられる範囲が増えるだろう。居住エリアが集中しているので入院して病室に入らなくても、個々の住居を病室のように使う事が容易だ。


9.地下居住区での生活


中核都市なみの人口が直径400m、長さ2km程度の地下居住区に収まっているので日常生活ではクルマはほとんど必要なくなるだろう。そのため運送、交通に必要なエネルギーも1/10以下で済むだろう。


人々の生活は、居住区内の移動には電動カートを使用し、縦横のエレベータを利用して買い物やレジャー、仕事、学校などに通う。居住区外の農場や工場に勤める人はクルマ又は交通システムを使って地表の職場に向かう。近くの別の居住区に通勤する人もいるだろう。


地下と言うとジメジメしたイメージがあるかもしれないが、この地下居住区は最適に空調されており年中気持ち良い健康的な空間となる。強力なフィルターでカビや病原体、臭気なども理想的にコントロールされる。


公共広場の照明は地表の太陽光発電パネルからの電気でLEDライト等を点灯する。直接駆動にしておけば太陽が陰れば広場も暗くなる。これで低コストで自然が再現される。もちろん夜でも最低限の明るさを保つような配慮は必要。


健康対策として紫外線ライトをどの程度併用すべきかについては議論が必要だ。紫外線は健康上必要な側面も少しあるが、健康を損ない老化を強く促進する側面が大きい。だからゼロにはできなくても地表よりかなり減らすべきだとは思うが、根拠となるデータは持っていない。


郵便や宅配は自動搬送システムにより配送される。一部の大型荷物等のみを宅配業者が担う。ゴミ等も同様に各家から自動廃棄ダクトまたはごみ搬送用ロボットカートで集められる。一部の大型ゴミのみ廃棄業者に依頼する。


上下水道はもちろん熱水も配管で供給される。温泉が確保できれば、それの配管供給も可能だ。ただし有害物質を含む場合が多いので通常熱水配管とは分けて運用しなくてはならない。ダクトからは空調された新鮮な空気が常に供給され、温度、湿度の調整も可能だ。


このように地下居住区は非常に合理的で快適だ。しかし外の景色が見える窓が無いというのは一部の人にとっては不満だろう。解決策としては週末には地表に出て別荘に住むとかリゾートホテルを利用するなどがある。


また最近は低消費電力の大型ディスプレイがあるので、それを窓代わりにするというのもよい方法だ。100~200インチクラスの窓ディスプレイにテレビ局がリアルタイムで各地、各国の窓の外の風景映像を提供する。8K放送なら臨場感も高い。3D映像なら尚良い。


ユーザーは窓の外の風景を選択でき、しかもその映像はリアルタイムなので、どんなハプニングがあるか分からないという期待感もある。鳥や虫が飛んでくるかもしれないし災害や事件が起こるかもしれない。それでも危険が及んだり覗かれたりする心配はない。



10.新時代の日本の産業


地下居住区に住むようになれば光熱費は激減する。するとエネルギーは水力、太陽光、風力で十分足りるようになる。輸入する必要がないので外貨も必要ない。防衛費も地下連絡口さえ守ればよく、自国内で核爆発させても地下居住区は平気なので、これを自国領土防衛に比較的気軽に使える。そのため非常に低コストで国土防衛ができる。

そのようなわけで、防衛費も最小で済む。あとは食料だが、前記したように国民が主に地下に移動したので地表は土地が空いている。そこで食糧増産すれば自給率も上昇して外貨を稼ぐ必要性が減る。つまり、日本には大きな経済は必要なくなる。外国から資源等を輸入する必要が減るので、外国に製品等を輸出する必要も激減する。自給自足経済が実現するかもしれない。

そうなったとき、われわれはどのような目標をもって生きていくべきか。またいくら自給自足に近づくといっても、世界各地の色々な食材、珍味、個性的で独創的な工業製品、芸術品は欲しいし海外旅行もしたいから、ある程度の外貨を稼ぐ必要はある。これをどの様に実現するか?もちろん高技術力でユニークな製品輸出も日本の存在理由を示すうえで重要だ。

それに加え、日本は非常に優れた観光資源を持っている。大自然の様々な景観と非常に古い寺院、神宮、街並みなどだ。これを生かして観光立国を目指せば、それだけで十分な収入が得られるだろう。

何しろ地表には人が暮らしていないのだから、理想的な街並みにできる。例えば現在の岐阜県の白川郷などは合掌作りの古民家群が売りだが、人々が実際に生活している場でもあるからプロパンガスボンベがあったり、エアコンの室外機があったり、一般的な現代住宅があったり、道路が舗装されていたりで必ずしもイメージが統一されていない。

京都の町も古い建物と現在の建物、デザインの良いもの、悪いものが入り混じっている。もし人が生活するという前提がなければ理想的な建物、町並みが作れ、観光資源としての価値が上がるかもしれない。

街には人が生活していないのだから観光には理想的な街並みが低コストで作れる。維持費も安い。映画のセットみたいな街を日本中の観光地の必要な場所に作ればよい。しかしこのようなアトラクション化した観光地が本当に受け入れられるかは一抹の不安もあるが。

このようにして、最低限必要な金は観光で稼ぎ、優秀な頭脳は地下都市で独自文化を育み研究開発にも大きなウェイトを置いて取り組む。国内消費されるクルマ、半導体、電気製品等も基本は国内生産しなくてはならない。カネを稼ぐことを第一義にする必要がないので、これまでの価値観では不可能だった独創的な研究やユニークな製品が生み出されることが期待できる。


11.閉鎖社会か開放社会か

日本は地下居住区に移行するべきだと強く確信するが、そこに外国人を受け入れるか、または出来るだけ日本国籍を持った者だけの社会にするかは議論の分かれるところだと思う。私は地下居住区は基本的に高度な閉鎖空間なのだから、ここに仲間入りしたければ日本国籍の取得を前提にして良いと思う。

ただし地表は外国人もある程度受け入れてもよいかもしれない。そして地下居住区には厳重なセキュリティチェックを受けないと入れないようにする。














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