2021-06-09 (Wed)✎
超小型スポットヒータ HSH-8(外径Φ8)開発

フィンテック社は他社では作れない領域の超小型ハロゲンスポットヒータも作ってきた。例えばHSH-18(Φ18)とかHSH-12(Φ12)など。
今回は更に小型化し、Φ8のヒータを開発する。

ミラー部外径Φ8,長さ19mm。保持用パイプ部Φ6×40mm
紙に照射したところ。照射中央部の紙が焦げている。温度は約270℃、スポット径(焦げている範囲)は約Φ3
発熱体はPX-DS密着コイル。4v-6w、外径Φ2.2mm、長さ2.2mm.電熱線PX-DSΦ0.23。発熱体温度約1000℃、推定寿命10000時間以上。ミラー温度上昇約180℃。
HSH-8/4v-6w/T1000℃ の図面
開発後記
この製品プロジェクトは当初、熱源にパワーLEDを使用するつもりだった。そこで下図の様な試作品を作り実験してみた。しかしこれはLEDに3A(3.7v×3A=11.1w)流しても、せいぜい120℃までしか上昇しなかった。紙に照射しても焦げない。以前の実験では紙が発火したので400℃以上だったはず。
この時との差はミラー径が違うことと金メッキではないこと。やはりミラーサイズの差が大きいか。
この路線で改良を進めるか考えたが、あまりにも性能が低すぎる。簡単に改善するとは思えない。やはりLEDは熱源としては適切では無いと判断した。しかしここまでつぎ込んだ投資を捨ててしまうのはもったいない。
しかしランプはこの大きさになると選択出来る物がない。そこでわが社の得意なパイロマックス製発熱体で検討することにした。この発熱体ならどのようなサイズでも設計、製作できる。
作った物はわが社の他の製品に比べ高温性能等は見劣りする。しかしこの小ささは特筆に値する。微小部分の加熱、乾燥など産業界、研究部門などで使って頂ける用途があるかもしれないと思い、この製品を提案したい。
最初に試作したHSH-8型スポットヒータ。熱源にパワーLEDを使用している。しかし高温加熱性能が全く不足であり、紙を焦がす事すらできなかった。
追試 2021/06/13
あまりにもLEDの結果が悪く納得出来ないので、下記仮説の元に追試を行った。
①コンプレッサーエアーで空冷する方式をとっていたが、そのエアーがミラー開口側に
漏れており、更に全面ガラスも付けていなかったので、そのエアーで焦点位置が冷
却されて温度が上がらなかったのではないか?
②LEDには凸レンズが貼り付けてあるが、これが集光の邪魔をしているのではないか?
そこでLEDのレンズを外し、前面ガラスを装着して再確認を行った。冷却エアーは20L/min.で電流は3Aである。
しかし結果は同様であった。白い紙はおろか黒い紙を焦がす能力も無い。やはりミラーが決定的に悪いのだろう。金メッキにすれば良くなるか? 多少は良くなるのは確かだろうが、紙が焦げて発火するようになるかは疑問だ。
またこのLEDは放熱板を用いず、高圧エアーを直接吹き付けて冷却している。20~30L/min.吹き付ければ、この方式もありだが、もしエアーが停止すれば2~3秒で リード線を付けているハンダが溶ける。これは実用にした場合にトラブルの元になりそうだ。
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