黒部、奥飛騨方面にて 2021/10/09~10で一泊の旅行に行ってきました。
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2021/10/09 奥飛騨に向かう途中で岐阜県関市にある通称モネの池に寄った。正式には「名もない池」らしい。最近ネットでモネの睡蓮の絵の光景に似ているという事で知られるようになった。しかし観光地と言えるほどには整備されていない。たくさんの鯉が優雅に泳いでいる。村の人が餌などの世話を交代でされているらしい。だからここの鯉は餌が十分なので観光客にせびる事はしない。
高知県のモネの庭に比べると整備されていないが、こちらにはたくさんの鯉がいる。やはり生き物がいるとホッとなごむし、見ていて飽きない。この池で鯉がいなかったら不気味さを感じてしまうかもしれない。錦鯉はどこにでもいるが、ここの黒鯉はブルーがかっていて目を引く。なぜかな?
バス停は乗鞍岳というほとんど活動していない火山の火口中央部の様な場所にあり、周囲を外輪山が囲んでいるから、この場所からは外の景色が全く見えない。絶景を楽しむにはどこかの外輪山に登るか、外輪山の外に出なくはならない。外輪山の最高峰は剣が峰(3024m)だが、もっと手軽な峰もたくさんある。剣が峰すらここからの標高差は300mほどしかないが、それでも片道1.5時間らしいから私には絶対無理。それなりの装備も必要だが私はサンダル履きだし。周りを見るとほとんどの人が重装備だ。ワイシャツ一枚でサンダル履きという人は私以外には見当たらない。たぶんここに来る人達は山歩きが目的で、どこかの峰を目指す人が多いのだろう。なんだか私だけ場違いの人みたいだ。
しかし大きな火山だなー。近くの山で乗鞍によく似た御嶽山という山がある。♪木曽の御嶽なんじゃらほい---という民謡でも有名だ。これは乗鞍岳と同様に火山としてはほとんど活動していなかったので無警戒で、観光客が多数火口付近まで来ていた。だが2014年に突然噴火(水蒸気爆発)して火口付近の観光客63人が犠牲になった。戦後最悪の火山災害らしい。しかし乗鞍岳だってどこだって、その様なリスクは常にある。でもそんなリスクを過剰に気にしていたら、どこにも行けなくなる。人生はリスクと常に付き合っていくもの。たまたま不幸に当たってしまったら、運が悪かったとあきらめよう。そのほうがリスクを過剰に恐れて閉じこもるより、たぶん幸せだ。
(下)歩くのはイヤなのでタクシーさんと交渉して景色の良さそうなところを案内してもらった。ただし一番きれいな時期は一週間ほど前に過ぎているので、あまり期待できないとの事だった。しかし行ってみるとわれわれのレベルでは十分に綺麗だった。すると一番綺麗な時はどんなに綺麗なんだろう。また来てみたくなる。
いつも思うんだけど紅葉だけではつまらない。緑や黄色の葉とのコントラスト、山の地肌や空の青さ(青くない?雲が出てきた)との組み合わせが素晴らしい。このような紅葉する草や低木の総称として「草もみじ」と言うらしい。
(下)時間が少し余ったので、ナビで調べると今夜の宿(平湯温泉)の近くに滝があるらしいので行ってみた。ぜんぜん期待してなかったのだけれど、けっこう立派な滝なのでびっくり。
平湯大滝 巾6m 高さ64m 日本の滝百選
けっこう滝してる。私の地元では箕面の滝が落差33mだから、ここの滝は2倍近く高い。でも那智の滝にはもちろん負ける。やつは133mもあるからね。ちなみに私の地元近くに「日本のナイアガラ」と一部の人が呼んでいる滝(正式名は黒滝)がある。スケールは本家の数十分の一だけど写真に撮るとそれなりに見えるから不思議。
泉質は鉄分が多く鉄っぽい匂いがする。それでも有馬の金泉ほど濃くはなく、色や濁りも少なめだ。ただしこれは時期によって変化するらしい。一日中お湯がかけ流しなのは便利で贅沢な気分になれるけど、少しもったいない。でもこれは電気や石油、ガスを使っているわけではなく自然に湧き出ているのだからエコなのだ。この辺りは目立った活動的な火山は無くても活発な火山帯に属し、温泉源は豊富だ。この宿も自家専用の泉源があるらしい。だからこんな贅沢が妥当な宿代で実現する。宿代は一人3万円弱だから安くはないが、他の地域の同レベルの宿に比べると安い。しかも個室にある露天風呂の源泉かけ流しは希少だ。偏狭な温泉マニアは「源泉かけ流しでなきゃ温泉とは認めない」と言っている。
(下)2021/10/10 平湯温泉から黒部ダムに向かう。マイカーで黒部ダムに直接乗り付けることはできない。扇沢駅に車を置いて、電気バスで約16分だ。
写真上の左側がダム湖になる。遊覧船もある。やはり大規模なダムだ。これが日本の工業力がまだ未熟だった戦後まもなくに計画し作られたのだから、当時の人たちの頑張りが分かる。そういえば高校時代(1970年頃)に学校から「黒部の太陽」という映画を見に行った。このダムの建造苦労話を実話に近いドラマに仕立てた映画だった。職業高校だったから教育の一環だと先生たちは判断したのだろう。石原裕次郎主演。そういえば高校の修学旅行でもこの辺りに来たはず。でもこのダムの記憶はない。それ以外の記憶も無い。なぜ? 思えば小学校の修学旅行は四国、中学校の修学旅行は奈良、京都。まだこちらの方が記憶が鮮明だ。これはたぶん高校が(少なくとも私が所属する電気科は)ほぼ男子のみだったので、あの無味乾燥でむさくるしかった記憶を消し去ろうとしているのではないかと思う。
ここにはエレベーターもエスカレーターもない。展望レストランはすごく高いところにあるし、放水見物場所に行くにもかなり階段を下らなくてはならない。降りるのは良いけど帰りの登り階段で力尽きる。すごく疲れたので、これは何とかしてほしかった。レストランで黒部ダムカレーという色がグリーンっぽいカレーを食べてみた。しかし口に合わない。普通のカレーの方が良かった。カレーはどこで食べてもそんなに外れは無いので、見知らぬ観光地などではよくカレーを選択するのだが - - - 。やっぱり私は食に関してはスタンダードが好きなのだ。普通の食事が一番だ。今話題の昆虫食なんていくら国連が推奨したって、とんでもない。食事以外ではアンチスタンダード指向が強い場合もあるんだけどね。 ほとんどだとおもうよ
今回の旅行の印象
モネの池:観光地としては少し物足りない。池はそれなりにキレイ。池底が白っぽく、そこに錦鯉がいるのがきれいで幻想的。ここは観光地として開発すべきだろうか?現状のような少しマニアックな観光スポットとして、そっとしておく方が良いかもしれない。未整備観光スポットには整備された観光地にはない独特の魅力がある。
乗鞍:寒く乾燥していた。山頂バス停は乗鞍岳の火口内だから、そこからの眺めは大したことはないが、少し出て行くとすばらしい景色がある。雲がかかっていたので、あまり遠くまでは見渡せなかったが、晴れていたらもっとすごかっただろう。
こんな高所は初めてだ。たぶん標高二千メートルをかなり超えたあたりから植生が大きく変わり始め、山頂付近では景色が一変する感じ。高い木が全く無い。乗鞍の紅葉を楽しむには10月9日では少し遅く、1週間くらい早いタイミングが良さそうだ。初夏も高山植物や残雪のある景色が楽しめそうだ。体力に自信のない人はタクシーさんに頼めば¥5000.程度で綺麗な所を回ってくれるかもしれない。
ここに限らず観光地のタクシーは現地の知識が豊富なドライバーが多く、親切な人も多いので利用してよかったと思うことが多い。ただしここのタクシーの台数は少ないので、暇だったらという事になるだろう。バス停から1.5時間程度歩けば剣が峰(乗鞍の最高峰3026m)の山頂に行けるらしい。こんなに手軽に3000m超の山頂に行けるのは日本ではここくらいだろう。元気のある人はチャレンジしよう。私は少し登ると喉が乾燥して声が出なくなったので、絶対無理。
旅館:「もずも」は珍しい宿だった。ありふれた宿よりも強い印象が記憶に残る。それなりにお勧め。小さな宿で人手も少ないのだろう。館内はまだ蛍光灯が多用されており、寿命で点滅しているものもあった。また椅子が壊れかけているものもあった。少し器用な人がいれば家具を直したり蛍光灯をLEDに変えればよいのだが。この宿の中居さんは露天風呂に虫が寄ってきて困ると言っておられたが、LEDランプに変えれば虫はほとんど寄ってこない。おまけに電気代は安くなるし交換頻度は1/5以下になるから良い事ずくめだと思うが。LED照明に変えるにはほとんどの場合、器具はそのままでもランプのみ交換すれば可能だ。飼い主の商売柄、照明の事が気になるのだ
黒部ダム:壮大だけど数百段の階段の上り下りに疲れる。体力が必要だ。体力のない人や体重が過大な人にはお勧めできない。観光船でダム湖をまわるのも良さそうだが、予約を取っておかないと当日では無理な場合が多そうで我々も乗れなかった。
一泊の車の旅としては、この程度の距離が限界かな?一般道を走る距離が長い。富士山のほうが楽に行けると思う。帰り道は安曇野市を通過したが、高原の広々感のある低人口密度な街であり、住むにはよさそうな場所だと思った。道路わきに綺麗な花畑もあった。なぜかトトロの里を思い出したが、あれは関東だから関係ないか。でもそんな雰囲気の土地だ。