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新型クリーンエアーヒーター New CLH type

新型クリーンエアーヒーター New CLH type

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フィンテック社でクリーンエアーヒーターと称しているのは、熱風発生器の中でも高度にミクロサイズのチリが発生しないヒーターの事である。チリと言っても目や顕微鏡で見えるレベルのものだけでなく、ナノレベルのチリを出さないことが重要である。当社や他社の通常の熱風ヒーターはこのミクロサイズのチリがけっこうでてくる。それは絶縁体が剥離して発生したり、発熱体が酸化剥離するのが原因だったりする。


フィンテック社のCLHシリーズクリーンヒーターは発熱体を石英ガラスのカプセルに入れ、それで通過エアーを加熱するという基本構造をしており、原理的にチリの発生が無い高度にクリーンな熱風を提供するヒーターだ。


しかし現在のクリーンエアーヒータCLHシリーズは設計が非常に古い。25年くらい前の開発製品になるが、現在のレベルで見直すと最適な設計だったとは言い難い。かなり昔に作ったままで改良がほとんどされていない。そのころは現在よりも設計能力も経験も未熟だった。


しかし現在の世界情勢的にはクリーンヒーターCLHは需要が増加してきており将来性が非常に有望な品種である。半導体製造や医療バイオ関係、塗装用エアー加熱、食品加熱等々、高度にクリーンな熱風が求められる用途は拡大している。
拡大といっても非常にニッチな市場レベルでの拡大だが---


そのためCLHヒーターは現在の設計、技術レベルで構造を根本的に見直し、新CLHシリーズとして魅力度を大幅に強化した製品として製品群に加える。

改良要件は

※基本的にミクロサイズのチリ発生が無いこと。実測データでこの能力を保証する。
※通過気体(エアー等)との接ガス部にシリコンその他の接着剤を使わない。
※熱風温度センサーを内蔵させ、熱風温度を極めて正確に測定できること。
※現状サイズよりあまり大きくならない事。
※エアーの入口ー出口が同軸上にある事。
※10^-5Pa以上の真空引きに耐える事(超高気密)。
※耐振、耐衝撃性に優れる事。梱包状態では70cm落下に耐える。
※耐エアー圧力0.6MPa以上。絶縁耐電圧3kV
※100w~6kwのシリーズ化。
※各種ガス、液体の加熱にも使えるほどの汎用性(石英、SUS316が耐える範囲)。

下図は上記条件に沿って設計したCLH-38型ヒータの構造図である。38型とは加熱部外管の径が約Φ38であり、金属ケース外径はΦ42.7となる。定格は200v-1.5kw、200v-3kwが主流になる。熱風の最高温度は500℃程度までとなる。実績的に最も需要の多いCLH型クリーンヒーターとなる。

20220718.jpg

1.電線系統が通過ガスと全く接しない方式を採用


上図の様な構造を考えた。これなら接ガス部にシリコンを使う必要はなく、接着剤も必要ない。石英内管(発熱体部)は組み込むだけで高気密でしっかりと固定される。ばらすのも簡単。


本当は接ガス部には高分子材料は一切使いたくなかったが、そうもいかないのでフッ素ゴムのOリングは最少限で許容した。ゴム材質はフッ素ゴム4D(-20℃~+230℃)が一般的なので通常品はそれを使用するが、特殊用途ではパーフロロゴム(耐熱、耐薬品性良0℃~+330℃)やシリコンゴム(耐寒性良ー50~+200℃)なども検討対象になる。


更に特殊用途では金属ケースや発熱部外管など通常品ではステンレスSUS316を使っている部分もテフロン(PTFE)に変えた超クリーンヒーターも考えられる。ただしコストはかなり高くつくし、最高熱風温度は200℃以下になるだろう。


アー入口と熱風出口の関係は完全な同軸上ではないが、この程度のズレは許容されると思う。


2.熱電対方式の改良


従来品は熱風温度を測定する熱電対の温度測定値がいい加減なのが欠点だった。その為、改良型は熱電対で正確に熱風温度が測定できるように特別に熟慮した。


発熱体内部を通過する部分の熱電対線は寿命を考慮してΦ1.6、測定部は測定精度と応答性を考慮してΦ0.32とした。


熱風は温度測定部に行く前に外周方向から中央の熱電対部に向かって流入し、ぶつかり合い十分に撹拌される。さらに回転運動も与えられ温度の均一化を行っている。


発熱体部から温度測定点までの距離も長くし、攪拌効果を確実にすると共に発熱体からの熱影響を避けた。温度測定部の熱電対線径を細くしたのも、この効果を助長する。


試算

CLH-38PH型クリーンヒーターに200L/min.のエアーを流すとして試算。

回転攪拌ノズルΦ4.5×8Pでの流速 FS1 を求める。

断面積S1=(0.45/2)^2×π×8=1.27cm^2   

流速FS1=3333cm^3/s ÷1.27cm^2=2620cm/s=26.2m/s

これが熱電対内臓の石英管φ6の周りで回転すると回転中心がΦ10だとして

回転数 T/s=2620cm/s÷(1×π)cm/T=834T/s →50000rpm

熱電対内臓の石英管φ6がある部分の通路面積S2は

S2=(1.8cm/2)^2×πー(0.3^2×π)=2.54-0.28=2.26cm^2

するとここでの平均流速は FS2=3333cm^3/s÷2.26cm^2=1475cm/s=14.8m/s

回転開始から熱電対測温点までの距離は約23mmなので、通過に要する時間は

T=0.023m÷14.8m/s=0.00155s

この時間での回転数Tは T=834T/s×0.00155s=1.29T

つまりこの回転攪拌器は気流に50000rpmもの回転を与えると期待されるが、それでもこの攪拌器長での気流の回転数は約1.3ターンしかしない事になる。これは十分ではないだろうが、それでもかなりの改善効果が期待できる


3.石英二重管構造の改良


石英二重管構造は割れやすい。加熱部内管は高温になるので石英を使う意味は十分あるが、加熱部外管は温度も低いのでSUS管等でも酸化による塵の発生は無く使用可能である。そのため加熱部外管はSUS316を採用した。加熱部外管の機能は内管からの放射熱を受け止め、それを通過エアーに伝えること。


また金属ケースと加熱部外管の隙間には通過気体は流れないが、チリが残存するポケットになりかねないのでOリングで塞いだ。


4.発熱体の改良


従来の発熱体は丸巻き半密着コイル発熱体を使用し、ピッチ間絶縁にマグネシア粉+無機接着剤を使ってきた。これは水平、垂直使用にも耐えるし密度も高いので優秀な発熱体ではあった。


しかし当社の固有技術として圧縮花巻きコイルがあり、これは高密度で使用方向の制限もなく優秀である。しかしコストが高くCLHの発熱体としてはオーバースペックかもしれない。


従来構造を変えるか未定だが内径、外径比の小さい、丸巻きに近い花巻コイルであれば圧縮にも強く密度も高い。これなら使用方向の制限も受けず最高性能が狙えるだろう。これは最近新設したコイリング機でも生産可能だ。これにピッチ間絶縁処理をして空芯コイルとして石英内管の中に入れる。両側はセラミックウールで押さえる。内部を通る電源ラインや熱電対線は二重絶縁とする。


5.他のサイズのシリーズ化


上記は最も売れ筋のCLH-38PHシリーズの基本設計であったが、次の段階として小型のCLH-

10シリーズ、15シリーズを加える。その次には1本で6kwクラス以上になる品種を開発する。


下図は最も小さいCLH-10シリーズの基本設計である。



CLH-10.jpg




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