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S.Asada

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ブラックホール内の景色

宇宙ブラックホール内の景色と、閉鎖空間の出来るメカニズム。


物理独自理論研究シリーズ(My 仮説) → English edition 英語版

2022/09/24 S.Asada 修正、追記は随時


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本論は私説の「宇宙の成り立ち、宇宙誕生のストーリ」についてある程度のご理解を頂いたものとしての論理展開となる。これの大まかな内容は「ビッグバン宇宙論」とは全く逆説的な宇宙論である。→「宇宙ブラックホール仮説

それは我々には観測不可能な領域にある外部空間という広大で高温、希薄な空間が舞台。そこに発生した巨大な「宇宙ブラックホール」のシュヴァルツシルト半径内を、我々の宇宙空間は落下過程であると想定している。


本論は我々の宇宙空間が宇宙ブラックホールの近傍で発生し、それがシュヴァルツシルト半径を超えて落下していくとき、そこに住む観測者がどのような光景を目にするのかを図解して解説する。 曲がった時空間の図解は少し厄介だ。



1.本論を構築するために使用した理論、前提条件

本論は下記の理論、前提が正しいとして論理を構築している。私は下記が標準的な理論だと判断しているが、部分的には私の拡張が入っているかもしれない。しかし大きく逸脱はしていないと思っている。


1-1.大質量星に観測者が近づいた時の現象(2物体間の場合)

光は真空の空間では直進する。重力場で光が曲がって観測されるのは3次元空間が曲がっているため。光はあくまで直進している。

Aを大質量の星とし、Bを観測者とする。Bから出た光がAの重力場で曲げられて、本来ならA以外に向かうはずだった光路もAに繋がったとする。この場合、Aから出た光も同じ光路を逆走するのでBからこの航路の直線延長上に等距離でAが存在する。

もちろん下図のB-Aが直線で結ばれている場所にもBから見ると当然Aは存在する。これは光学効果でそのように見えるという現象ではなく、Bからこの二つの光路のどちらに光を放っても、同じ最短距離でAに達することを意味する。

光路の解説-1

実際の光路は無数にあるので、Bから見るとAが広がって見えるようになる。しかもこれは「見える」だけではなく、実際にAが広がってBを等距離で包んでいくような、曲がった3次元空間構造になっている。Aの重力的作用も同様に広がる。しかし重力の絶対量は変化しない。Bの重力ポテンシャルはAの質量とA⇔B間の距離で決まる。重力を受ける方向はベクトル和になるので、図の光路が直線になる方向となる。

この論法は光の到達時間が無視できるほど短い場合に適用される話。片道100億年とかのスケールについては「4.光路に関する考察」を参照。



1-2.光の伝わり方

前記した様に曲がった3次元空間ではA⇔Bの2点間を結ぶ光路は無数にできる場合がある。しかしその光路は全てA⇔Bの2点間を結ぶ最短距離(直線)であり、すべて等距離となる。これは曲がった2次元面である地球表面で北極と南極を結ぶ最短航路は無数にあり、それの全てが等距離になるのと同じである。

光路の解説-2


1-3.シュヴァルツシルト半径と事象の地平面の関係

この場合の事象の地平面とは観測者に対して、その面から放射された光のエネルギーがゼロになって届く場所の事である。赤方偏移が無限大になる場所とも表現できる。これは光が重力場をさかのぼる事で重力ポテンシャル差のエネルギーを失う事による。

よくシュヴァルツシルト半径のところに事象の地平面が出来ると言われるが、これは観測者が遠方にいた場合に、シュヴァルツシルト半径の所が事象の地平面になるという事だ。しかしこれは観測者の状態によって全く違ったものになる。

観測者が自由落下でブラックホールに落ちていく場合で考えてみると、落下してシュヴァルツシルト半径に近づいていくと、事象の地平面を作る重力ポテンシャルの差が保てなくなり、その条件が満足するところまで事象の地平面が凹む。

つまり落下観測者から見てシュヴァルツシルト半径に近づくと事象の地平面は大きく凹んでいき、シュヴァルツシルト半径を超えた瞬間、事象の地平面の凹みがちぎれて泡の様に観測者を包み込む。これの詳細は(1-4.)で解説する。


1-4.大質量星のシュヴァルツシルト半径内に落下した場合の状況

Aを超大質量の宇宙中心核だとし、数千億光年以上の巨大なシュヴァルツシルト半径を持つブラックホールだとする。そしてBはそのシュヴァルツシルト半径内を自由落下している観測者とする。

シュヴァルツシルト半径内ではBから出た全ての方向の光路は、外部に脱出することはできない。そのためすべての光路は曲げられて宇宙中心核に繋がる。

つまり落下する観測者Bから発した全方向の光路は全て中心核Aに繋がる。ここでA⇔Bの2点間の光路は全て最短距離であり、等距離になるから、観測者Bから見ると全ての方向に中心核Aが等距離で存在するという空間構造になる。

つまり観測者Bは中心核Aの表面で包み込まれてしまい、外部空間とは完全に切り離された閉鎖空間になる。ブラックホールからは脱出できない、外部世界と通信もできない、というのはこの空間構造によるものである。

また全方向の等距離に宇宙中心核が存在するのだから、その重力は打ち消され、無重力状態となり、そこを落下する観測者Bは加速度運動ではなく慣性運動(等速運動)になる。

これはシュヴァルツシルト半径を超えたときから始まる。こうなると落下観測者Bの落下エネルギーは増えることなく中心核Aの重力勾配を下っていき、最終的には中心核Aにぶつかる。重力勾配を下っても落下エネルギーが増えないのは通常の常識ではない。

しかしこの特殊な空間構造により導かれる解釈により、落下物が無限の落下エネルギーを得るという従来理論の矛盾を回避でき、質量エネルギー保存則が守られる。また無限の圧縮で特異点が出来るという問題点も回避できる。

また中心核Aと落下観測者Bの間には事象の地平面ができる。Bから見た事象の地平面とは、そこから発せられた光のエネルギーがゼロになってBに届く場所だ。赤方偏移が無限大になる場所ともいえる。

A⇔B間の距離は全ての方向で等しいのだから、事象の地平面までの距離も全て等しくなる。つまり観測者Bから見て、全ての方向の等距離に事象の地平面が存在することになる。これは観測者Bが真っ暗で温度が絶対零度の事象の地平面で全天を包まれ、Bはその中心に浮いているように見えるだろう。これは実際の宇宙における我々の状況を如実にあらわしている。


2.宇宙ブラックホール内で裏返しの閉鎖空間ができる仕組みの詳細を図解


2-1.

観測者が星を観測した場合、その星の質量がさほど大きくなく、重力による光路の曲がりが無視できる場合には、星はそのままの大きさで見える。距離が十分に離れている場合も同様。

閉鎖空間-1



2-2.

質量の星に観測者が近づいていくと、重力場で光の進路(光路)が曲げられ、重力レンズ効果で星が実際よりも大きく見える。下図で説明すると、観測者に届いた光の直線延長上に星が見えるので、作図してみると大きく拡大されることがわかる。

閉鎖空間-2

※注:図の光路曲線は正確ではない。しかし曲線の正確さは本論の結論に影響しない。重要なのは、ある方向に発せられた光が最終的にどこに達するかだ。


2-3.

大質量の星に観測者がさらに近づいていくと、さらに大きく光路が曲げられ、観測者に覆いかぶさるように広がっていく。下図では視界のほとんどを大質量星が占めているだろう。

閉鎖空間-3

※注:図の光路曲線は正確ではない。しかし曲線の正確さは本論の結論に影響しない。重要なのは、ある方向に発せられた光が最終的にどこに達するかだ。


2-4.

大質量の星に観測者がさらに近づいていくと、さらに大きく光路が曲げられ、観測者を包み込むように観測者の後ろ側にまで回り込むようになる。

閉鎖空間-4

※注:図の光路曲線は正確ではない。しかし曲線の正確さは本論の結論に影響しない。重要なのは、ある方向に発せられた光が最終的にどこに達するかだ。


2-5.

大質量の星に観測者がさらに近づき、そのシュヴァルツシルト半径を超えて落下すると、大質量星の表面が完全に観測者を包み込んでしまい、逃げ道のない閉鎖空間になる。

閉鎖空間-5



2-6.

実際には全方向に大質量星が見えるわけではない。大質量星と観測者の間には等距離の所に事象の地平面ができ、これに観測者は完全に包み込まれ、その中心に観測者が浮いているように観測される。
真っ暗で温度が絶対零度の事象の地平で包み込まれて、その中心に浮いているように観測されるとすれば、我々の宇宙での状況と同じだ。

閉鎖空間-6




3.宇宙ブラックホール内の景色

宇宙の姿2022

宇宙ブラックホールの巨大な重力で反転した裏返し空間、つまりブラックホール中心核が全天を被い、その手前にある事象の地平で包まれた、真っ暗で絶対零度に近い閉じられた空間が、我々の認識する宇宙である。


事象の地平近くまでの距離は138億光年程度と見積もられている。


我々の銀河も非常に高速度で落下しているので、中心核までの距離は等速で縮まっている。それに伴い、我々から見て最遠方にある事象の地平面付近までの距離も縮まっている。


落下速度は無限遠から障害なく落下した場合、シュヴァルツシルト半径の所で光速度に達するが、実際には落下過程で運動エネルギーの多くは熱エネルギーとなり、外部空間を高温に保つ事に使われる。そのため我々の宇宙の落下速度も高速とはいえ、光速度よりは相当に遅い。


他の銀河も我々とほぼ同速度で落下しているので、相対距離は変わらない。


上図では宇宙の中心核を便宜上、図示しているが、我々の宇宙空間は事象の地平面で終わっており、その先の中心核は我々の世界には存在しない。



4.光路に関する考察

光路は可逆的だ。Bから出た光が曲げられてAに達する光路が出来たとすれば、逆にAから出た光は同じ光路を通ってBに行く事ができる。しかしこれは通常の時間スケールでは問題ないが、宇宙スケールでは片道100億年以上かかることも普通にある。


現時点での我々の空間座標から出た光は、空間構造から予約された光路を通って中心核に向かう。しかしそれが到着するのは数百億年以上先の事だろう。


この予約された光路を逆にたどって、遠方銀河の光が現在の我々に届いている。それは数千年、数億年、数十億年以上昔に発せられた光が、ようやく我々に届く。


つまり我々と中心核を結ぶ予約光路というのはその瞬間にだけ存在し、その光路に過去に存在した天体が発した光が長い時間をかけて我々に届いている。我々はその過去の景色を見ていることになる。しかしこれは確定した現在形であり、実際の世界だ。


具体的には我々の銀河から発せられた光が最終的に中心核に至る光路が基本になる。これは未来形であり予約光路と呼んだものである。


この予約光路を逆流してきた光を我々は観測している事になる。しかし中心核から事象の地平までは我々の世界ではない。我々がぎりぎり観測できるのは事象の地平面近くから我々側の予約光路上に有る天体等からくる光である。












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